建具とは?知っておきたい基礎知識や材質・機能など種類ごとの特徴について解説

建具とは?知っておきたい基礎知識や材質・機能など種類ごとの特徴について解説

新築や増築、リフォームの際に、「建具(たてぐ)」という言葉を聞くことがあるかと思います。

建築の分野では当たり前のように使われる言葉ですが、どういったものを指し、どんな意味があるのでしょうか?

今回は建具の基礎知識や種類ごとの特徴について解説します。

建具とは

建具はドア、窓、ふすまなどの建物の開口部に取り付けられた仕切りを総称する建築用語です。

一般的な住宅の建具には、以下のようなものがあります。

建具の種類 主な建具
出入り口建具 玄関や勝手口に取り付けられる引き戸やドア
窓建具 掃き出し窓、天窓、出窓、明り取り窓、雨戸
内部建具 室内のドア、和室の障子、ふすま、欄間(らんま)、鴨居など
収納建具 クローゼットのドアや下駄箱の扉など部屋と収納部分を隔てる仕切り
外構建具 門扉やフェンスなど建物の敷地を区切るためのもの

さらに、建具は木・鉄・アルミ等の材質による分類、引き戸や開き戸等の機能による分類というように、さまざまな視点から分類されます。

建具の種類

建具を材質や機能によって分類します。

建具に使用される材質

建具に使用される材質は、軽いもの、硬いもの、見た目に美しいものなど、仕切る場所や目的によって使い分けます。

主な建具の材質は以下のとおりです。

アルミ

アルミは軽量で加工しやすく、安価な材質です。耐久性に優れており、光や熱を反射するため日焼けや変色に強く、防汚性もあります。アルミを使用した建材には、アルミサッシやアルミフレームの引き戸が挙げられます。ただし、アルミは熱を伝えやすく、外気温の変化の影響を受けやすいというデメリットがあります。夏場は窓側の空気が温められて冷房効率が低下、冬場は室内の温かい空気がアルミ部分で冷やされ、結露が出やすくなります。

木製の建具はやや価格が高いものの、自然の木目の美しさが和洋を問わず温かみのある部屋を演出します。木製建具は「無垢建具」と「フラッシュ建具」の2種類に分けられます。「無垢建具」は、天然木の丸太からそのまま切り出した木材で、調湿性能や断熱性に優れています。「フラッシュ建具」は木材の骨組みに合板(ベニヤ板)を貼ったもので、無垢建具よりも安価で、デザイン性の高さが特徴です。

鉄製の建具は防火性に優れ、衝撃にも強い材質です。防犯性が高く、玄関の扉や外構の門扉、フェンスなどに使用されています。スタイリッシュな雰囲気がある一方、威圧感や冷たさを感じさせる側面もあるため、表面に木質の素材を貼り付けて木製ドアに見えるような製品も販売されています。

建具の機能

開閉のしやすさ、気密性など、設置する箇所に求められる機能に合わせた建具を選ぶ必要があります。

開き戸

開き戸は気密性と遮音性に優れた建具です。扉を閉めることで冷暖房の効率が高くなり、外からの音を遮断することができます。建物の出入り口や寝室などに適した建具と言えるでしょう。ただし、開き戸を設置する場所には扉の可動スペースが必要になってしまうということです。トイレや居室のドアを開き戸にした場合、そこに面する廊下の幅が狭すぎると、通る人とぶつかってしまいます。安価で取り入れやすい反面、ある程度のスペースがないと難しいです。

引き戸

引き戸は開き戸に比べると気密性は劣るものの、少ない力で楽に開閉することができるという特徴があります。開き戸のような可動スペースが必要ないため、玄関が引き戸ならベビーカーや車いすの出し入れが楽になります。お年寄りの使用する和室、布団を出し入れする押入れ、子どもも使用する収納の建具に使用すれば、少ない力で開け閉めができ、空間を広く使うことができます。

折れ戸

折れ戸は、蝶つがいなどで連結させた扉を折りたたむことで開閉する建具で、クローゼットや脱衣所などによく使用されます。開き戸の3分の1の可動スペースで取り付けることができるため、狭い空間にも設置することができます。ただし、折り戸は子どもが指などを挟む事故が起きやすいというデメリットがあるため、子ども部屋や子どもが使用する場所に設置する場合は、指はさみを防止する工夫が施されているものを選びましょう。

まとめ

建具は数々の材質や機能から使用する場所の目的や見た目のこだわりに合わせて選ぶことがポイントです。

たとえば、玄関は人の出入りが頻繁で建物の「顔」とも言うべき場所ですので、防犯性と見た目を兼ね備えた材質、機能から選びましょう。

設置する場所によっては建物の印象を大きく左右するため、リフォームや交換の際は特徴を考慮して配置する必要があります。

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