移転や入居によってオフィスを新しくした場合は内装をおしゃれにして、気分も新たに仕事に取り組みたいものではないでしょうか?
しかし、オフィスの内装工事は一般住宅の内装工事に比べ、内容や費用が把握しづらいものです。
坪数が同じでも、オフィスの立地、業種、移転か入居かによっても内装工事の費用は変わってきます。
今回はオフィスの内装をおしゃれにする工事の費用について解説します。
オフィス内装工事の費用のめやす
オフィスの内装工事の費用は、坪単価で10万円~30万円が目安となります。
たとえば、面積138㎡(約42坪)で内装工事の費用が594万円(税込)の場合、坪単価は約14万円と考えることができます。
内装工事の費用が変動する要因は、広さ(坪数)はもちろん、物件が居抜きかスケルトンかによっても大きくかわってきます。
居抜きは前テナントの設備が残してあるため、再利用すれば費用を安く抑えることができます。一方のスケルトンは基礎構造のみを残した物件なので、内装の自由度は高いものの、工事費用は高くなります。
また、壁紙を高級なクロスにしたい、床を新しいフローリングに変えたい、天井を抜いておしゃれ感を出したいなど、内装のデザインにこだわればその分費用が高くなります。
以上の「坪数」「内装工事の内容(居抜きかスケルトンか)」「どんなデザインにしたいか」で、内装工事の費用が決定していくことを踏まえて見積もりを確認しましょう。
オフィスの内装工事の内訳と費用
オフィスの内装工事は、物件が居抜きかスケルトンかによって内訳が異なります。
居抜き物件、スケルトン物件それぞれの内装工事の内訳および坪単価の費用の目安は以下のとおりです。
居抜き物件(都内15坪の場合) | スケルトン物件(都内33坪の場合) |
仮設工事 - 軽鉄工事 約1万円/坪 内装工事 約4万円/坪 建具工事 約0.3万円/坪 パーテーション工事 - 電気設備工事 約0.8万円/坪 空調換気設備工事 - 消防設備工事 - 廃材処分費 0.5万円/坪 サイン工事 約5.7万円/坪 その他諸経費 約0.8万円/坪 |
仮設工事 約0.4万円/坪 軽鉄工事 約0.7万円/坪 内装工事 約10万円/坪 建具工事 約2.3万円/坪 パーテーション工事 約2.6万円/坪 電気設備工事 約1.6万円/坪 空調換気設備工事 約2.7万円/坪 消防設備工事 約1.5万円/坪 サイン工事 約1.8万円/坪 その他諸経費 約1.3万円/坪 |
総額 約198万円(約13万円/坪) | 合計 約820万円(約25万円/坪) |
居抜き物件は前テナントの内装を活用することで、一部の工事が省略されます。
表を見てわかるように、居抜き物件のほうが坪単価で10万円以上の費用を抑えて内装工事を実施できます。
オフィスの内装工事の費用を安く抑えるポイント
オフィスの内装工事の費用を安くするために、以下のポイントを押さえておきましょう。
複数の業者に見積もりを依頼する
坪単価の費用はあくまでも目安であり、オフィスの内装工事を依頼する業者によって費用にばらつきが出てきます。
どの業者がどれだけの費用を提案してくるか、なるべく複数の業者に見積もりを依頼して比較検討しましょう。
複数の業者の見積もりを比較検討することを「相見積もり」と言いますが、相見積もりを行うことで、内装工事のプランとコストでもっとも納得できる業者にリフォームを依頼することができます。
相見積もりを依頼する際は坪数、内装工事の目的、デザインなどの条件を揃えることが大切です。
内装仕上げのグレードを調整する
壁紙クロスや床材、照明など内装工事に使う材料のグレードを調整することで、リフォーム費用を安く抑えることができます。
たとえば壁紙クロスには「量産品」と「1000クラス」というグレードがあり、もっとも安い壁紙クロスは賃貸物件などに使用される量産品です。
1000クラスのクロスはさらに一般品・中~高級品、特級品にグレードが細分化されており、グレードの高い壁紙ほど高級感はありますが、費用は1㎡あたり2,000円~3,000円以上変わってきます。
内装工事の費用を抑えつつ、なるべくおしゃれな仕上がりにするには、価格は安いがおしゃれ感のある素材を選ぶなどのひと工夫が必要です。
まとめ
オフィスの内装をおしゃれにするための工事について、また工事費用を抑えるポイントについて解説しました。
一般住宅の内装工事と異なり、オフィスは開業のスケジュールと合わせて内装工事を行う必要があります。
内装をおしゃれにしたいというこだわりはもちろん大事ですが、開業に間に合わないようでは元も子もありません。
時間がないなかでも納得できるオフィスの内装工事を行うには、事前にオフィスの完成形のイメージを具体的にして、なるべく複数の業者に見積もりを依頼することが大切です。