省エネやエコの意識が高まり、オール電化やZEH(ゼッチ)の住宅が増えている中、冬の暖房として「床暖房」にも注目が集まっています。
なかでも「ガス温水式床暖房」は、ガス代を節約しながら、効率的にお部屋を暖めることができます。
今回は、床暖房のガス代の料金相場や節約するコツについて解説します。
ガスを使用する床暖房は「ガス温水式床暖房」
床暖房と一口に言っても、床を暖める仕組みの違いにより「電気式床暖房」と「温水式床暖房」に大きく分けられます。
さらに、温水式床暖房は、何を熱源とするかによって「ガス温水式床暖房」か「電気温水式床暖房」に分けられます。
「ガス温水式床暖房」は、ガスを燃料とする熱源機で加熱した温水を、ポンプを通してお部屋に設置された床暖房に循環させ、その熱を利用して床を暖める仕組みです。
スイッチを入れてからの立ち上がりが電気温水式に比べて早いため、スピーディに部屋を暖められます。
省エネタイプのガス給湯器である「エコジョーズ」と一緒に設置すると、ガス会社各社が用意している「エコジョーズ+床暖房専用プラン」が利用でき、ランニングコストを大幅に抑えることができます。
以上のことから、ガス温水式床暖房は、無駄なく効率的にガスを燃焼させ、お湯を一定温度に保ちながら循環活用するため、ガス料金がお得なのです。
ガス温水式床暖房のガス代
ガス温水式床暖房の1日連続8時間使用・1ヶ月あたりのガス代の目安を、一般的なエアコン暖房の電気代と比較すると以下のとおりです。
6畳 | 8畳 | 12畳 | |
ガス温水床暖房のガス代※ | 約3,000円 | 約4,000円 | 約5,500円 |
一般的なエアコン暖房の電気代 | 約3,000円 | 約6,100円 | 約7,500円 |
※都市ガスの場合で試算
ガス温水式床暖房は、これらガス代に加えて、電気代が1ヶ月あたり500円かかります。
なお、ガス温水式床暖房はスイッチを入れてすぐの立ち上がり時にかかるガス代は約42円/1時間で、その後は自動で省エネ運転するため、定常時のガス代は約9円/1時間となります。
最近では省エネ効果の高いガス温水式床暖房の商品がメーカー各社から発売されており、立ち上がり時間は45分前後で無駄なエネルギー消費を抑え、スピーディーに部屋を温めることができます。
ガス温水床暖房のガス代を節約するコツ
ガス温水床暖房のガス代を節約するためのコツをご紹介します。
スイッチは入れっぱなしにする
先ほども説明したように、ガス温水式暖房はスイッチを入れてすぐの立ち上がり時にもっともガス代がかかります。
立ち上げから温度が安定するまでの約1時間あたりのガス代は約42円/1時間、設定温度になってからの定常時は、1時間あたり約9円/1時間です。
エアコンと同様に、スイッチを入れてから温度が安定するまでのガス代がとても高いので、節約のつもりでこまめにスイッチを消すと、かえってガスが割高になります。
したがって、頻繁に床暖房を利用する冬場は、設定温度23~25度で24時間つけっぱなしにしておくほうが、ガス代の節約となります。
床暖房の上にカーペットを敷かない
小さなお子さんやペットがいるご家庭では、ガス温水式床暖房の上にカーペットを敷いているケースが見受けられます。
エアコン暖房が気体や液体などの流れに乗って熱が運ばれる「対流熱伝達」であるのにたいし、こと床暖房は、温度の高い物体から低い物体へ、波の形で直接物体に伝わる「輻射熱伝達」という性質を持っています。
したがって、ガス温水式床暖房の上にカーペットを敷いてしまうと、熱がうまく部屋全体にいきわたらず、ガス代が無駄になってしまいます。
敷物を利用する場合は、床暖房に対応している薄手の物を使用しましょう。
ガス代が安くなるお得なプランを契約する
電気会社やガス会社各社は、ガス温水床暖房を使用している方に、ガス代がお得になるプランを用意しています。
東京ガス・・・「暖らんぷらん」で、冬期のガス料金が一般料金よりも9~13%お得に。
大阪ガス・・・「GAS得プラン 床暖料金」で、ガス温水床暖房をお使いのお客さまは一般料金に比べて約19%お得に。
また、都市ガスとプロパンガス(LPガス)では、ガス会社によって差はあるものの、プロパンガスの方が都市ガスよりも2倍程度、料金が高いと言われています。
8畳の部屋で連続8時間使用の場合、都市ガスは1ヶ月あたりのガス代が約4,000円、LPガスの場合は約6,000円です。
床暖房へのリフォームを検討する際は、料金プランやガス会社の見直しも含めて検討することをおすすめします。
まとめ
床暖房のガス代の相場や、節約する方法について解説しました。
普段の使い方や料金プランの見直しで、床暖房のガス代は劇的に変わります。
床暖房へリフォームする際は、実績が豊富で、料金プランにも詳しい施工業者を選びましょう。