冬場の暖房器具といえば、エアコンや石油ファンヒーターなどがありますが、昨今はオール電化住宅やZEH(ゼッチ)が注目されていることもあり、床暖房の人気が高まっています。
床暖房には「電気式」と「温水式」の2種類があり、リフォームの費用だけでなく、ランニングコストにも大きな違いがあります。
今回は、床暖房のリフォーム費用について、「電気式」と「温水式」の特徴やメリット・デメリットと併せて解説します。
参考記事:zeh(ゼッチ)とは?zeh住宅の意味や仕組みを分かりやすく解説
床暖房は大きく分けて2種類
床暖房には、大きく分けて「電気式」と「温水式」の2種類があります。
それぞれの仕組みやメリット・デメリットは以下の通りです。
電気ヒーター | 温水式 | |
仕組み | 床下に電熱線を組み込んだパネルを設置、通電により床面を暖める。 | 床に専用のパイプを通し、ガスや電気などで温めたお湯を循環させて床面を暖める。 |
メリット |
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デメリット |
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床暖房を電気式と温水式のどちらにリフォームするかは、「設置費用」と「ランニングコスト」がポイントとなるでしょう。
電気式は床下にパネルを設置するだけなので初期費用が安く、施工も1日で終わりますが、月々の光熱費は高くなります。
一方で、温水式は床下パイプの配管や給湯器の工事が必要となるため、施工に2~3日かかり、初期費用も高くなりますが、月々の光熱費は安く抑えられます。
他にも、どの部屋に設定するか(広さ、用途)、1日あたり何時間くらい使用するかで選びましょう。
床暖房のリフォーム費用の相場
床暖房は、戸建て住宅の場合で8~20畳ほどの広さの部屋に設置するケースが多いです。
ここでは、床暖房の「電気式」と「温水式」について、リフォーム費用の相場をご紹介します。
電気式床暖房にリフォーム
電気式床暖房は、温水式のように給湯器が必要ないため、設置費用は6~10万円/畳です。
さらに「PTCヒーター式」「電熱線ヒーター式」「蓄熱式」などの方式に分けられます。
「PTCヒーター式」は、PTCと呼ばれる、床の温度に合わせて電気抵抗が変化する発熱体により、無駄な電力を抑えます。施工費用、ランニングコストともに費用が抑えられ、電気式床暖房でもっとも人気です。
「電熱線ヒーター式」は、床下に暖房パネルを設置するだけなので、他に比べて初期費用は安く抑えられますが、消費電力が大きいため、長時間利用すると電気代が高くなります。
「蓄熱式」は、割安な夜間電力で蓄熱材を暖め、電気代の高い日中に蓄熱材の熱を放熱して床を暖めます。初期費用は最低でも100万円以上かかりますが、ランニングコストは他と比べて安く抑えられます。
温水式床暖房にリフォーム
温水式床暖房は電気式床暖房に比べると初期費用が高めで、設置費用は8~12万円/畳+給湯器の設置が30万~50万円です。
また、温水式は「電気温水床暖房」と「ガス温水床暖房」に分けられます。
電気温水床暖房は、空気の熱を冷暖房に有効活用する「エコキュート」で効率的にお湯を温めます。オール電化住宅との相性が抜群で、光熱費を安く抑えられます。ただし、20A~30A に電気容量を増やす必要があるため、暖房を使わない季節も基本料金が上がってしまいます。
ガス温水床暖房は、ガスを使用してお湯を暖めるため、電気温水床暖房のように契約電力を変える必要がありません。ガスの高効率給湯器「エコジョーズ」なら、設置費用もエコキュートの半額程度で済みます。
床暖房のリフォーム費用を安くするポイント
床暖房のリフォームは、電気式とガス式のどちらにするか、設置する部屋の広さ、さらには施工業者によっても変わります。
リフォームの費用を安く抑えるためには、複数の施工御者に見積もりを依頼して、「比較検討」をすることです。
さらに、床暖房のリフォームには、50万円~100万円ほどの費用がかかりますが、補助金や税制優遇の対象となっている自治体もあります。
床暖房は「省エネルギー改修工事」に含まれ、一戸建て住宅や集合住宅で、断熱リフォームを行った場合に適用される場合があります。
補助金や税制優遇制度は、リフォーム実施前の申請が必須となりますので、床暖房のリフォームを検討する際、施工業者に相談してみると良いでしょう。
まとめ
床暖房のリフォーム費用は、電気式・温水式それぞれの特徴を知り、自宅に合った暖房方法を選べば、初期費用・ランニングコストを安く抑えることができます。
電気・温水式の特徴や違い、注意点を把握した上で、施工実績の豊富で、希望に沿ったプランを提案してくれるリフォーム会社を選びましょう。