冬の寒い室内を足元から暖め、ホコリが舞い上がりにくく、乾燥も防ぐことができる「床暖房」。
オール電化の住宅では、省エネ効果も高いとして、温水式床暖房との相性が抜群とも言われています。
しかし、床暖房は「電気代が高い」というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか?
今回は床暖房の電気代についてエアコン、石油ファンヒーターとの比較、さらには冬の電気代の節約方法について解説します。
床暖房の1月あたりの電気代
床暖房には、電気ヒーター式と温水循環式の2種類があります。
仕組み | 1月あたりの電気代の目安(1日8時間連続使用、床温約30℃) | |
電気ヒーター式 | 床下に電熱線ヒーターが内蔵されており、通電によって床を暖める。設置は熱源パネルのみなので初期費用は安いが、ランニングコストはやや高い。 | 56,00~6,100円 |
温水循環式 | 電気・ガス・灯油などの燃料で加熱した温水を、ポンプで引き上げて床暖房に循環させ、その熱を利用して床を暖める。電気ヒーター式と比べて初期費用は高くなるが、ランニングコストは安い。 | 3,300~4,400円(電気式の場合)
2,800~3,900円(ガス式の場合) |
電気式と温水式を比較してみると、イニシャルコスト(初期費用)が安いのは電気ヒーター式、ランニングコストが安いのは温水循環式です。
イニシャルコストを比較してみると、電気ヒーター式床暖房の場合は約60万程度、温水式床暖房では、約80万円程度が目安となります。
「月々の暖房の電気代(ガス代)を安くしたい」とお考えであれば、イニシャルコストはかかるものの、ガス温水循環式の方が、月々のランニングコストを低く抑えることができるでしょう。
床暖房と他の暖房器具との電気代を比較
冬の暖房器具としてよく利用されている、エアコン、石油ファンヒーターの電気代(燃費)を見てみましょう。
床暖房 vs エアコン(暖房)
冬の暖房の主役といえば、多くのご家庭で「エアコン」をイメージされるのではないでしょうか?
主要4メーカーのエアコン暖房の電気代の平均は、1時間あたり15〜35円です。8畳の部屋で1日8時間の使用で考えると、1月あたりの電気代は4,061円となります。
床暖房との比較で考えると、温水循環式なら電気代をエアコンよりも安く抑えることができそうです。
ただし、エアコンの電気代は、エアコンは外気温と設定温度によってかかる消費電力が大きく変化するほか、電気会社や料金プランによっても電気代が変わります。
料金プランの見直しや、電気とガスのセットプランなどを利用すれば、年間で10,000円以上の節約も可能です。
床暖房 vs 石油ファンヒーター
石油ファンヒーターは、電源を入れればすぐに体を温めることができ、30分もあれば部屋全体が十分に暖まります。
灯油を燃焼して得た熱を送風するため、電気代の他に灯油代がかかります。
最新型の石油ファンヒーターの電気代は、1日あたり8時間の使用で電気代は約2.37円~約4.75円、1ヶ月(30日間)では約71.10~約142.50円となります。
さらに、灯油代は時期によって価格がかわり、商品によって燃料消費量も異なるため一概には言えませんが、目安としては1日8時間使用・1ヶ月あたりで約1,574.10円~約7,870.80円となります。
床暖房と比較すると比較的安く暖房できますが、上記の通り価格変動があるため、単純な電気代の比較は難しいと言わざるを得ません。
「弱点の補い合い」で床暖房の電気代を節約
暖房器具は、それぞれの特徴を知り、弱点を補い合うことで、電気代を節約することができます。
たとえば、短時間でピンポイントに暖めるなら石油ファンヒーター、家族全員が集まるリビングは床暖房という使い分け方で、無駄な電気代をかけずに節約できます。
床暖房は温まるのに時間がかかるため、朝起きたときや外から帰ってきたときなどは、他の暖房器具で弱点を補わなければ、十分に温まるまでの約1時間、寒さに耐えなければなりません。
また、ランニングコストの安い温水式床暖房は、電源を入れてすぐの立ち上がりのタイミングがもっとも消費電力が高きくなります。
こまめに電源を切入するよりも、つけっぱなしにしておくほうが、かえって、電気代を安く抑えることができるでしょう。
まとめ
床暖房の電気代や節約のコツについて解説しました。
「電気代が高い」というイメージが根強い床暖房ですが、使い方次第ではエアコンよりも電気代を抑え、お部屋を冬でも暖かで快適な空間にすることができます。
初期費用や施工のしやすさなら電気ヒーター式、月々のランニングコストを抑えるなら温水循環式がおすすめです。
また、1年のうちもっとも電気代がかかるのが冬です。
毎年、冬になると電気代が思った以上にかかって悩んでいるという方は、思い切って電力会社や料金プランを見直すことも、根本的な電気代の節約につながりますよ。