日本の住宅の屋根は「コロニアル」と呼ばれる屋根材が人気です。
コロニアルはガルバリウム鋼板や日本瓦と比べて施工費用が安く、カラーバリエーションやデザインが豊富というメリットがあります。
今回はコロニアルのメリット・デメリットや、屋根材をリフォームするときにかかる費用の相場を解説します。
コロニアルとは
コロニアルとは、セメントと繊維質を混ぜ合わせた薄い板上の屋根材「スレート」を指す商品名です。ケイミュー株式会社が販売する商品名ですが、数種類あるスレート屋根材の中でも普及率が高いことから、コロニアルがスレート屋根材の代名詞のように使われています。
2017年にガルバリウム鋼板を含む金属屋根にシェアトップを譲りましたが、現在でもコストパフォーマンスの高い屋根材として人気があります。
コロニアル屋根のメリット
コロニアルには、以下に挙げるメリットがあります。
- 単価が安い
- デザインやカラーバリエーションが豊富
- 対応できる業者が多い
- 軽量なので家の耐震性が向上する
単価が安い
コロニアルはガルバリウム鋼板や日本瓦など、他の人気の屋根材と比較して価格が安いという特徴があります。コロニアル、ガルバリウム鋼板、日本瓦の屋根材の施工費用は以下のとおりです。
屋根材の種類 | 施工費用(1㎡あたり) |
コロニアル | 4,500円~8,000円 |
ガルバリウム鋼板 | 6,000円~1万円 |
日本瓦(粘土瓦) | 9,000円~1万2,000円 |
デザインやカラーバリエーションが豊富
コロニアルは他の屋根材と比べてデザインやカラーバリエーションが豊富です。家のテイストが和風か洋風かにかかわらず、好みの屋根に施工することができます。たとえば、ケイミュー株式会社が販売している「コロニアルクァッド」シリーズは、12色のカラーバリエーションがあります。
対応できる業者が多い
コロニアル屋根は施工依頼に対応できる業者が多いこともメリットと言えます。比較的簡単に施工できるため工事費用の価格帯が安く、施工トラブルもほとんど発生しません。
軽量なので家の耐震性が向上する
コロニアルは軽量な屋根材であるため、建物へかかる負担が軽減されます。軽量な屋根材を用いると家の重心が下がり、地震の揺れに強い家にすることができます。
コロニアルの屋根にするデメリット
コロニアルの屋根には以下に挙げるデメリットもあります。
- ひび割れしやすい
- 耐用年数が短い
- アスベストを含む可能性がある
屋根のリフォームを検討ときはメリット・デメリットの両方を知ったうえで最適な屋根材を選びましょう。
ひび割れしやすい
コロニアルは薄い板状の屋根材なので、強い衝撃や経年劣化でひび割れが生じやすいというデメリットがあります。とくに台風や強風などの後には、飛来物によってひび割れ箇所がないかチェックするようにしましょう。
耐用年数が短い
定期的なメンテナンスを行うことを前提として、コロニアルの耐用年数は20年です。メンテナンスを怠ると経年劣化が進み、カビやコケが発生するなど想定の耐用年数よりも短い期間で交換が必要となってしまいます。
アスベストを含む可能性がある
2004年以前に施工されたコロニアルは、有害物質のアスベストが含まれている可能性があります。コロニアル屋根を解体・撤去する際は、アスベストが飛散しないするための工事費用が追加されます。
コロニアルの屋根にするリフォームの費用相場
既存の屋根材をコロニアルにリフォームする方法は「カバー工法」と「葺き替え工法」の2種類があります。
カバー工法(重ね葺き)
費用相場:1㎡あたり1万円~2万円(足場費用含む)
カバー工法は、既存の屋根材の上にから新しい屋根材をかぶせる工法を指します。重ね葺きと呼ばれることもあります。
既存の屋根材がコロニアルの場合、より軽量のガルバリウム鋼板をかぶせるときはカバー工法が採用されます。
ただし、経年劣化がひどく、屋根下地の防水シートまで傷みが及んでいる場合は、後述の葺き替え工法によるリフォームが必要です。
葺き替え工法
費用相場:1㎡あたり7,000円~2万円(足場費用含む)
葺き替え工法とは、既存の屋根材を剥がして新しい屋根材に交換することです。下地の防水シートから交換するため、屋根全体の耐久性や防水性を向上させることができます。
なお、2004年以前に施工されたコロニアルはアスベストを含んでいる場合があるため、工事費用にアスベスト処分費用が追加されます。
まとめ
コロニアルは安価な屋根材ですが、衝撃に弱いためひび割れしやすく、メンテナンスを怠るとカビやコケが発生します。屋根を長持ちさせるためにも、こまめなメンテナンスを行いましょう。
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