瓦屋根はDIYで補修できる?見極めポイントや実際の手順を解説

瓦屋根はDIYで補修できる?見極めポイントや実際の手順を解説

日本瓦は耐用年数が非常に長く、強度もある一方、台風や地震の被害を受けやすいというデメリットもあります。

瓦の一部が破損もしくは飛ばされた場合は、事故防止策を万全にとったうえで、DIYでの補修が可能です。

今回は瓦屋根をDIYで補修できるかどうかの見極めポイントや、実際の作業の手順について解説します。

DIYできるのはどこまで?瓦屋根の見極めポイント

瓦屋根の症状によって、DIYで補修が可能か、専門業者に依頼すべきかを判断します。

なお、屋根の勾配が急な家は症状に限らず、DIYはおすすめしません。急勾配の屋根上は不安定かつ転落事故のリスクが非常に高いため、屋根工事の専門業者に依頼しましょう。

瓦屋根の一部が割れている場合

瓦の一部に割れがある場合は、DIYで補修が可能です。防水テープやパテを使用したり、新しい瓦と交換したりして補修します。

雨漏りしている場合

瓦の耐用年数は50年以上と長持ちですが、その前に下地の防水シートや野地板が寿命を迎えます。下地の劣化をそのままにしていると雨漏りが生じる可能性があるため、「葺き直し」という方法で補修します。

葺き直しとは、いったん瓦を撤去して下地を補修した後、ふたたび瓦を乗せる方法です。DIYで葺き直しは難しいため、専門業者に依頼しましょう。

屋根全体に不具合が生じている場合

台風や地震など自然災害が起こった後は、屋根全体もしくは広範囲に不具合が生じている可能性があります。

瓦屋根が全体的に劣化している場合、DIYでの補修が困難です。専門業者に瓦の葺き替え、もしくは葺き直しを依頼しましょう。

棟瓦に歪みや破損がある場合

棟瓦とは、屋根の頂点部分にあたる棟にある瓦のことです。棟瓦は屋根のもっとも高い場所にあるため、歪みや破損の症状が見られる場合はDIYではなく、業者に依頼して補修しましょう。

さらに、棟瓦が歪んでしまった場合、「棟取り直し」という工事が必要です。棟取り直し工事は専門的な技術力が求められるため、DIYで間違った補修をすると、かえって雨漏りの原因にもなります。

DIYできる瓦屋根の補修

前項「瓦屋根の見極めポイント」で解説したように、瓦の一部に不具合がある程度であれば、DIYで補修することができます。

瓦屋根をDIYで補修する方法は以下のとおりです。

  • 防水テープで補修する
  • パテで接着する
  • 新しい瓦に取り換える

それぞれの方法について詳しく解説していきます。

防水テープで補修する方法

防水テープを破損箇所の長さに合わせて切り、貼り付けるだけの簡単な方法です。防水テープはホームセンターや通販サイトで1巻あたり1,000円で販売されています。

実際の手順は以下のとおりです。

  1. 割れている瓦を取り除く
  2. 瓦の割れている面と防水テープを貼る面を清掃する
  3. 防水テープで補修した瓦を元に戻す

テープを切って貼りつけるだけで作業が完了するので、DIY初心者にもおすすめです。

パテで接着する方法

瓦用のパテは「瓦パテ」や「屋根瓦しっくい」といった商品名で、2kgあたり800円程度で販売されています。ペースト状のものを使うと、水と混ぜ合わせる時間を短縮できます。

実際の手順は以下のとおりです。

  1. 割れている瓦を取り除く
  2. 瓦の割れている部分にパテを塗り込む
  3. パテが平らになるようにコテで伸ばす
  4. 下地の状態を確認する(状態が悪い場合は業者に依頼)
  5. ガルバリウム等の金属板で裏打ちをして瓦を補強する
  6. 補修した瓦を元に戻す

ご覧のようにパテで補修する方法は思ったよりも手間がかかり、ある程度の経験が必要です。短時間で済ませるなら、先述した防水テープで補修する方法をおすすめします。

新しい瓦に取り替える

瓦1枚の破損が大きかったり、破片が見つからなかったりする場合は、新しい瓦に取り替えます。

ただし、既存の瓦を同じものを手に入れる必要があります。

瓦はホームセンターや通販サイトなどではほとんど取り扱いがほとんどありません。瓦を専門に取り扱う瓦店などに相談しましょう。

瓦屋根の補修をDIYで行う場合の注意点

瓦屋根の修理は高所での作業となるため、安全第一で行いましょう。ここでは、瓦の補修をDIYで行う場合の注意点について解説します。

簡単な作業でも事故防止は万全に

屋根上という高所での作業は、常に落下事故のリスクが伴います。

安全帯・ヘルメット・滑り止め付き安全靴の3点セットは必ず準備して、事故防止を万全にして作業を行いましょう。

台風による瓦屋根の破損は業者に依頼を

強風や台風によって瓦が破損もしくは飛ばされた場合は、火災保険の「風災」を適用できる場合があります。

火災保険が適用されると業者に依頼した補修費用の一部または全額が補償されるため、DIYではなく業者に依頼しましょう。

まとめ

DIYが可能な瓦屋根の補修について解説しました。

防水テープやパテを使えばDIYでも簡単に補修できますが、高所での作業は危険が伴うため、屋根工事のプロに依頼したほうが安心です。

なお、今回ご紹介したDIYの方法は、あくまでも応急処置に過ぎません。屋根全体に不具合があったり、雨漏りが発生していたりする場合は、必ず業者に依頼して補修しましょう。

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