外壁を自分でチェックする6つの方法と注意点

外壁を自分でチェックする6つの方法と注意点

外壁は永遠ではない

言うまでもありません。家を守るためにそれだけ過酷な任務に耐えているんですから。雨にも風にも夏の暑さにも負けませんが、残念ながら、刻一刻と劣化していきます。

大切なのは、適切なタイミングでメンテナンスを行うことです。通常10年が目安と言われますが、住宅の置かれた環境や塗装の質などによって前後します。

幸い、突然ダメになる性質のものではありませんので、日ごろからのチェックが重要になります。家の健康も、人体と同じく早期発見早期治療が原則です。表面の劣化と侮っていると、建物内部に深刻なダメージを及ぼしかねません。

これが修理や補修となると、道具や専門の知識が必要になり、おいそれと誰にでもできることではありません。ですが、せめて家の健康を定期的にチェックして回るぐらいは、普段家族を守ってくれる家への恩返しとして、ぜひとも習慣化してほしいといころです。たとえば、毎月1日とか、二至二分とか、忘れにくいタイミングを決めておくと便利ですよ。

回るといっても、本当にただぶらっと回っただけでは意味がありません。とはいえ、具体的に何を見ればいいかわからないという方がほとんどでしょうから、これをチェックしておけば大丈夫という6つの項目を以下に説明しますので、参考にしていただけると幸いです。

外壁のセルフチェック6項目

目視で確認

まずは見た目です。外壁の様子を愛でてみましょう。

新築当時の外壁は、塗料の膜に覆われて光沢があります。しかし、紫外線を浴び続けることで塗膜が劣化し、次第にツヤを失くしていきます。落ち着いてきた、などと肯定的に言われることもありますが、劣化は確実に進んでいます。同じように色も少しずつ褪せいきます。

特に直射日光の当たる方角が早く劣化します。ちょっと見ただけでは分かりにくいかもしれませんが、普段からいろいろな角度から家を眺める習慣を身につけておくと、外壁に限らず、家の異変にいち早く気づけるようになります。・・昔は夕方など、近所のおじさんがボーっと立って家を眺めている光景をよく見かけましたが、最近はみなさん忙しくなって、とんと見なくなりましたね。

触れて確認

年月を経て外壁の劣化が進むと、チョーキングと呼ばれる現象が見られることがあります。手で外壁を触ると、白い粉が指についてきます。学校で黒板に字を書くときに使うあのチョークをイメージしてもらうと分かりやすいと思います。

白い粉の正体は劣化して剥がれた塗膜です。チョーキングが始まるということは、塗膜の防水性能が失われつつあることを意味します。そろそろ塗り替えを検討したほうが良いでしょう。

ひび割れにもいろいろある

外壁の種類にはモルタルやサイディングなど様々あります。なかでもひび割れが起こりやすいのがモルタルの外壁です。

ひび割れには大小あり、地震などの大揺れが原因のものもあれば、家の前を車が通過しただけで生じる小さなものもあります。放置すると次第に大きくなるものも、それほど変わらないものもあります。ひびにも十色ということで、範囲や深さをしっかり観察して、それぞれの特徴を把握するようにしましょう。

DIYでこまめに補修することで、外壁の寿命を延ばすことはできます。ただし、深刻なひび割れについては、本格的な対策が必要です。裂け目が広がったり、浸水して内部の木材が腐ったりと、さまざまな悪影響を家屋に及ぼしかねません。放置したせいで後々大がかりな修理が必要になったというケースは枚挙にいとまがありません。

サイディングの場合は、目地の部分に注意してください。ボードを繋ぐコーキングは劣化が早く、硬くなってひび割れを起こし、やはり浸水の危険が増します。目立つようになったら早めに補修するようにしましょう。

 

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剥がれや膨らみ

塗膜が劣化すると、下地との密着力が弱まります。塗装面が膨らんだり、剥がれてきたりします。そこから雨水が入り、症状が拡大します。

そのまま放置すると、住宅の内壁や天井、床、さらには基礎などへ浸水し、住宅全体の寿命を縮めることになりかねません。

日本は湿気の多い国ですから、なにしろ水が大敵です。逆に、腐食さえうまく防げれば、東大寺の大仏殿のように、木というのは本来驚くほど長くもつものです。もちろん、我々の住宅と国宝を比べるわけにはいきませんが・・。塗装の剥がれや膨らみも、初期であれば補修も容易です。

カビやコケに注意

外壁の表面に黒いカビや緑色のコケが発生することがあります。

日光が当たりにくい北面の壁あたりが危険個所です。本来なら塗膜が水を弾いてくれるのですが、塗膜に元気がなくなってくると、水分がじわじわ染み込みます。環境を変えるわけにはいきませんので、発生そのものを防ぐことはできません。できてしまった場合は、それ以上広がる前に、早い段階で取り除くようにしましょう。

室内への雨漏り

外壁のひび割れや剥がれなどを放置していると、下地へ浸水して雨漏りが発生します。雨漏りは屋根だけではありません。外壁でも起こりますので注意が必要です。

雨漏りするということは、外壁がすでに機能を果たせなくなっている証拠です。建物自体に被害が及ぶ前に、早急な対応が必要です。雨漏りの影響で室内にも湿気が来て、壁紙にカビが生えたりします。衛生的にも問題がありますので、くれぐれも放置しないようにしてください。

まとめ

以上、今回は外壁のセルフチェックの方法について説明しました。

普段から家をチェックする習慣をつけ、異常を見つけた際は、症状に応じて適切な対応を取るよう心掛けてください。話しかけると植物が元気になるという話を聞いたことがあります。私は家も同じだと考えます。愛情をかけた分だけ、長く家族を守ってくれます。家を、そして家族を大切にしましょう。

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