外壁塗装で足場は欠かせない?足場の重要性をまとめてみました

外壁塗装で足場は欠かせない?足場の重要性をまとめてみました

家の周りを「足場」で囲われ外壁塗装を行っている住宅を見かけたことがあるでしょう。街中ではビルの周りに足場がかかっているのを見かけることが多いですね。イメージ的に足場=外壁塗装と私などは考えます。

実際に外壁工事を依頼する立場になると、見積書に記載されている足場代が高くてびっくりするかもしれません。「足場代がなければもっと安くなるのでは?」「そもそも足場って必要?」と、費用を抑えたくなる心境は理解できます。

しかし、足場はとても大切です。足場無しで塗装をするのはリスクがありますし、作業員の心理的な負担も考慮しなければなりません。

今回の記事では、足場が大切であるという理由や、費用や相場、その他、塗装業者に依頼する前に知っておきたい「足場についての基礎知識」を紹介していきます。

足場の相場ってどれくらい?

まずは、足場の費用がおおむねどのくらいか、についてお話します。塗装の面積によって部材の量も変わるため、設置費用も違ってきます。一般的に700~1,000円前後(㎡あたり)が単価と言われています。平均的な戸建住宅の外壁の塗面積を参考にすると、15~20万円前後が妥当な費用と考えてもいいでしょう。

足場費用が高くなってしまうケースとは?

足場設置を外注する

塗装工事を依頼した業者が自社で組む場合は割安となりますが、「足場設置は外注です」というケースであると、中間マージンが上乗せされて割高になることもあります。

そもそも足場の組立は、国家資格の「足場の組立て等作業主任者」を持っている人が行わなければなりません。単に「設置すればOK」というものではなく、倒れたりしないよう安全に組み立てる必要があります。そういうことから、足場設置の専門業者に依頼するケースも少なくなく、外注の費用を抑えるのが難しいという側面があるのです。

家の外壁が複雑な形をしている

シンプルな形状の住宅だと足場の設置も楽にでき、費用は相場を超えることはあまりありません。しかし、増改築を繰り返しているなど複雑な形の住宅だと、それだけ足場の部材も増え手間もかかります。単純な形の住宅よりは「割高」で計上されることも多いです。

家の前まで車でいけない

道路から玄関まで離れている、住宅敷地と道路に高低差があって家の前まで行けないなど、足場の部材を運ぶために難易度があるケースだと手間がかかって費用が高めとなります。

隣家が近くて足場設置が難しい

築年数が経過しているような古い家だと、隣家までの距離がかなり近いこともあるでしょう。その場合、足場を組み立てるのに結構な手間がかかり、費用がかさむ場合もあります。

足場が必要な理由とは?

足場の設置は、外壁塗装工事においてかなり重要な意味を持ちます。その理由を知れば、高額な足場費用にも納得できるかと思います。

1. 職人さんの安全のため

豊富な経験がある職人さんでも、高所作業では一瞬のふらつきや油断が命取りになる可能性があります。作業中は、塗料や器具を持つなど両手がふさがり、バランスを崩しがち。足場があれば、バランスを保ちやすく安全です。

足場代を削ることができれば、費用は安くなりますが、職人さんの安全性が守れません。不安定な体勢のまま予想外に落下すれば、場合によっては命の危険にも繋がります。職人さんが万一ケガをしたりでもしたら、塗装工事が終わっても気持ちの良いものではありません。

職人さんの安全のため、足場は大切なものなのです。

2. 作業をスムーズにするため

塗装に使う道具を下から上、横へと持った移動が多いです。仮にハシゴだけでの作業となれば、何度も下に降りてハシゴをかけ直す必要も出てきます。それでは移動時間が長くなり、作業のペースはかなり劣るでしょう。しかも昇り降り中にも「安全」に気をつかわなければならず、慎重になればなるほど時間をかけてしまいます。

足場があればスムーズな移動ができるので、スケジュールに沿った塗装工事が可能です。

3. 塗料の飛散を防ぐため

綺麗な塗面に仕上げるには、塗装前の下準備が大切です。それが高圧洗浄なのですが、水しぶきが周囲に飛び散らないよう対策を講じなければなりません。

また、塗装をするときにも風に乗って塗料が飛び散ります。外壁塗装工事は「水しぶきや塗料の飛び散り」で近隣トラブルにならないように飛散防止シートを張ります。それには、足場の組立が必要なのです。

4. 塗りムラを防ぎ塗装の満足感を高める

足場がなければ不安定な体勢での作業になります。高いところに慣れた熟練工でも、手に塗料や道具を持ったままだとバランスが悪くなってしまうもの…。「塗装をしっかりやらなければ」と考えつつ、「自分の身を守る」ことにも気を配らなければなりません。作業に集中できずに100%の力を発揮できないこともあるでしょう。足場無しで工事をすれば、良質な技術を持つ職人さんの腕を狂わす原因にもなります。

職人さんが集中して塗装できる「足場」の環境があれば、結果として綺麗な仕上がりが期待できると思います。

足場代無料って書かれているけどお得なの?

割安な場合でも足場の設置は、10万円前後かかります。場合によっては数十万円と、一般的な相場よりもはるかに高額になるケースもあります。そこで「足場代を無料にします」と提案されることもあるかもしれません。「無料」と言われると、かなりのお得感があるものですよね。特に、複雑な形状の住宅なら数十万円が無料になるのですから魅力的です。すぐにでも契約したくなるのではないでしょうか。

しかし、足場代が無料になるからと、早まって契約するのはおススメできません。

実は、「無料と言えばお得感が増す→契約につながる」という業者側のテクニックがあります。このカラクリは、簡単に言うと、「他の作業内容に費用が上乗せされる」ことになります。例えば、本来はグレードの低い安い塗料なのに単価を高く記載したり、人件費を高めに設定したりするのです。つまり、結果的に業者が受け取る金額は同じになります。

「足場無料」は、実際にはお得とは言えないケースがほとんどですので、あわてて飛びつかないよう注意が必要です。

まとめ

外壁塗装の見積書のなかでも金額が大きいのが足場の設置費用です。しかしながら、そこには「職人の安全を守る」「工事の質を上げる」「ご近所への配慮」などの理由が含まれていることを、これまでの説明でご理解いただけたかと思います。

足場無料を謳ったり、極端に安い金額を提示してきたり、契約ほしさに業者もあの手この手を使ってきますが、安物買いのなんとかにならないよう、くれぐれも注意してください。

業者を選ぶときには、足場代の安さだけでなく、業者の過去の実績や説明の分かりやすさなど、全体的なところから慎重に判断してみてくださいね。

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