スギやヒノキなどの無垢材は天然木の風合いが好まれ、DIYで床材を張り替えたり、家具を自作したりするときにも選ばれます。
無垢材を使用するときは、しっかりと乾燥させることが重要です。十分に乾燥させないまま使用すると、板が割れたり沿ったりしてしまいます。
今回はDIYに使う無垢材を乾燥させる方法やホームセンターで木材を選ぶポイントを解説します。
なぜ木材を乾燥させることが重要なのか?
伐採した直後の生木(なまき)は、時間が経つにつれて水分が蒸発して収縮していきます。そのため、生木を十分に乾燥させないままDIYなどで使用すると、寸法が合わなくなったり、反りや割れが発生したりする原因となります。
十分に乾燥させた木材は硬くなって強度が増し、反りや割れを防ぐことができます。
さらに、乾燥させた木は腐りにくくなります。
木には腐朽菌(ふきゅうきん)と呼ばれる菌が繁殖しており、腐朽菌が木の成分を分解させて腐っていきます。腐朽菌は水分の多いところに発生するため、生木を十分に乾燥させることで腐りにくくなるのです。
木材をしっかり乾燥させるための保管方法
DIYに使う木材を自分で伐採してきたり、生木のまま譲ってもらったりしたときは、使用する前に十分に乾燥させることが大切です。
木材を湿気から守り、十分に乾燥させるための保管方法には、「重ねて保管」と「立てて保管」の2種類があります。
重ねて保管する方法
木材の樹皮に近い方の面を木表、木の中心に近い方の面を木裏と呼びます。
重ねて保管する場合は、1枚めは木表、2枚め以降は木裏の順で積み重ねる必要があります。
なぜなら、木の幅は広いほど反り返りやすくなるという特徴があり、全面同じ向きで積み重ねると木表に反り返ろうとする力が働いてしまうからです。
木材を重ねるときには、間隔を空けて桟木を置いた上に木材を並べ、何段にも重ねる桟積(さんづ)みが基本となります。
桟積みをすることで風通しが良くなり、木材が乾燥しやすくなるだけでなく、カビの防止効果にも期待できます。
なお、木材は一度反り返ってしまうと元に戻すのに時間がかかるため、木表・木裏の向きを正しく重ねるようにしましょう。
立てて保管する方法
生木を保管する場合は、立てて保管する方法が適しています。
保管するときの木材の向きは、根本を上にします。
伐採前の木は根の部分から葉の部分へと水が吸い取られるため、生木を保管するときも根本に近い部分を上、葉に近い部分を下にして立てることで乾燥しやすくなるからです。
木材を立てて保管すると、重ねて保管する方法よりも場所をとらないため、自宅の室内や納屋で乾燥させる場合に向いています。
ホームセンターで木材を選ぶポイントは「乾燥度合い」
DIYで木材を使って家具類を作るとき、多くの方はホームセ―ンター販売されている木材を購入されることでしょう。
ホームセンターで販売されている木材には「KD材」「AD材」「グリーン材」の3種類があり、それぞれ乾燥度合いが異なります。
ここでは、3種類の木材の違いやメリット・デメリットを解説します。
KD材|人工乾燥材
KD材(Kiln Dry Wood)とは、 人工乾燥された木材のことです。
温度や湿度、風量等をコントロールできる専用の釜に入れ、2週間~1ヶ月の短期間で乾燥させているため、反りや曲がりといった寸法の狂いがきわめて少ないというメリットがあります。
ただし、人工乾燥は木の含水率を下げる代わりに、木の耐久性にかかわる脂身まで失ってしまいます。
短期的には寸法の狂いが発生しませんが、同時に耐久性が失われているため、KD材を使用した建物や家具は数年で劣化してしまいます。
AD材|天然乾燥材
AD材(Air Dry Wood)とは、自然乾燥された木材のことです。
いわゆる天日干しで乾燥させるため、木材として売り場に出るまで短くても半年から1年の期間を要します。
KD材に比べて反りや曲がりが発生しやすいものの、ほどよく木の脂身が保たれるため、「粘り」があって100年以上も残る耐久性があります。
KD材が普及する前は、建物などに使用される木材はAD材が主流で、古民家や神社仏閣など何十年、何百年も残る建物にはAD材が使用されています。
グリーン材|未乾燥材
グリーン材(Green Wood)とは、生木のままの未乾燥の木材のことです。
木材として使用するためには乾燥させる必要があるため、DIYで作る家具などに使用されることはほとんどありません。
まとめ
DIYで木材を使用するときに気をつけたい「乾燥」について、具体的な保管方法やホームセンターで販売されている木材の見分け方について解説しました。
気軽にDIYを楽しむなら、ホームセンターで販売されているKD材の購入をおすすめします。
DIYに無垢材を取り入れ、天然木の独特な風合いや香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。