外壁や屋根の工事を行うとき、必ず「足場」が必要になります。高所での作業を安全かつスムーズに行うために必要な足場は、外壁・屋根のリフォーム工事費の約2割を占めるほど重要な意味があります。
今回は足場の必要性や足場の種類ごとのメリット・デメリット、それぞれの費用について解説します。
足場は高い場所の工事に必ず必要
外壁や屋根など、脚立では届かないような高所での作業では、「足場」が必要となります。
足場を設置することで高所の作業がスムーズにできるようになり、工事の品質が高まります。また、作業員の足元を安定させて安全を確保するという目的もあります。
一般的な戸建住宅の足場の設置にかかる費用は、15万円~25万円が相場です。足場の設置は「足場の組立て等作業主任者」という国家資格を所有している人しかできないため、資格を有する正規の業者に依頼して、屋根や外壁の工事の際に設置してもらう必要があります。
足場の種類と設置費用の相場
一般的な住宅の外壁・屋根の工事等で設置される足場には、以下の種類があります。
- くさび(ビケ)足場
- 単管(パイプ)足場
- 単管ブラケット足場
それぞれの足場のメリットやデメリット、費用の平米単価をご紹介します。
くさび(ビケ)足場
設置費用の相場:850~1,000円/㎡
くさび(ビケ)足場は戸建住宅の外壁塗装などで使用される、現在もっとも主流な足場です。各部材に「くさび」と呼ばれる凸金具があり、その部分同士をハンマーで打ち込んで固定して組み立てます。
比較的設置・解体がしやすいうえに強度が高く、なおかつ足場板も広いため安全性も高いというメリットがあります。ただし、ハンマーでくさびを叩いて組み立てる必要があるため、住宅密集地にある住宅に設置するときは周囲に音が響いてしまいます。
単管(パイプ)足場
設置費用の相場:650~800円/㎡
「単管」と呼ばれる直径48.6mmの鉄パイプを縦方向と横方向に組み合わせて造る足場です。「抱き足場」とも呼ばれます。
組み立てが比較的簡単で設置費用が安く、作業スペースが少しで済むため、住宅密集地など隣の建物との距離が狭い現場に向いています。
ただし、足場板を設置しない代わりに横方向に伸びた2本の単管を足場とするため、足元が安定せず耐久性も低いというデメリットがあります。作業員の危険性が高くなるため、最近ではくさび足場が組めないほど狭い現場以外では使用されていません。
単管ブラケット足場
設置費用の相場:800~900円/㎡
単管ブラケット足場は、単管(パイプ)足場に「ブラケット」と呼ばれる金具を設置し、その上にボルトで足場板を設置して造る足場です。足場板があるためバランスが取りやすく、単管足場と比べて作業員の安全性が高いというメリットがあります。
一方で、くさび(ビケ)足場がハンマーを使って固定されているのに対し、単管ブラケット足場はボルトを締めて組み立てるため、設置に時間がかかります。
足場の設置にかかる費用の概算
足場の設置にかかる費用は、足場架面積×平方メートル単価で計算されます。
足場架面積は建物の外周(m)+8m×家の高さ(m)で算出、家の高さの目安は1階建てで3.5m、2階建てで6m、3階建てで8.5mです。
たとえば、外周24m・2階建ての家に平米単価800円の足場を設置する場合の費用は、
(外周24m+8m)×家の高さ6m×平均単価800円 = 153,600円と計算できます。
したがって、一般的な30坪程度の家の外壁を全面施工する場合は、足場を設置する費用に15万円前後が目安となります。
まとめ
足場の組み立てには総リフォーム工事費用の2割に及ぶコストがかかりますが、工事の品質を担保するため、作業員の安全性を確保するためには欠かせない作業です。
したがって、「足場費用を安くします」「足場無料で契約します」といってセールスを掛けてくるような業者とは契約しないようにしましょう。
足場の費用を安くすることはできませんが、たとえば外壁塗装のついでに屋根もリフォームするなど、パックで依頼することで全体の費用を抑えることはできます。
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