【建築基準法・消防法】飲食店の天井・壁・床などの内装に関わる法律について解説!

【建築基準法・消防法】飲食店の天井・壁・床などの内装に関わる法律について解説!

飲食店の開業やリフォームで内装を検討する際には、遵守すべき法律があり、法律で決められている制限の範囲内で内装工事をする必要があります。

今回は飲食店の天井・壁・床などの内装に関わる法律について解説します。

建築基準法に基づく飲食店の内装制限

建築基準法とは、建築物の敷地・設備・構造・用途にまつわる最低基準を定めた法律のことです。

飲食店は不特定多数の人が利用する建物を指す「特殊建築物」にあたり、万が一火災が発生した場合にその被害を最小限に留めるため、建築基準法に基づいて内装で使用する素材などに厳しい制限があります。

この決まりを「内装制限」と言います。

一般住宅併用型の飲食店や、居抜き物件を飲食店として利用する場合、内装工事やリフォームを行うにあたっては確認申請が必要です。

建築基準法に基づく飲食店の内装制限は、火災が発生したときに建物内部の延焼を防ぐことを目的としています。

基本的には、客室にあたる部屋の天井・壁には「難燃材料」を使用することが求められています。

難燃材料とは、火災が発生してから5分間は火が燃え移らない材料のことをいいます。

火は上へ上へと燃え広がる性質があることから、床面に関しては内装制限の対象外ですが、1.2m以上の壁や天井は規制の対象となっています。

また、地上へと通じる廊下・階段・通路は火災発生時の避難経路となるため、10分間は火が燃え移らない準不燃材料以上の防火材料の使用が義務付けられています。

消防法に基づく飲食店の設備や建材に関する制限

消防法とは、火災から国民の生命・身体・財産を保護することや、火災・地震などの災害による被害を軽減することで、社会秩序を保持し、公共の福祉を増進することを目的として定められた法律です。

飲食店など不特定多数の人が利用する特殊建築物は、壁や天井の室内に面する場所で使用するカーテンや布製のブラインド、絨毯などには、消防法施行令及び消防法施行規則の基準で合格した防災対象物品を使用する必要があります。

一般住宅併用型の飲食店や、居抜き物件を飲食店として利用する場合、カーテンや絨毯がなどが防災対象物品であるかどうか、前もって内装業者や販売員に聞いておきましょう。

また、スプリンクラーの設置に関しては、地下または無窓の場合は1000㎡、建物の4階~10階のテナントの場合は1,500㎡が基準となります。

建築物の11階以上にある店舗は消防車(はしご車)による救助が困難であるため、床面積に関わらずスプリンクラーの設置が義務づけられています。

飲食店の消火器の設置について

2019年10月1日に「飲食店等における消火器具設置に関する法改正」が施行されました。

改正前は延べ面積150㎡以上の飲食店に消火器具の設置を義務付けていましたが、改正後は火を使用する設備または器具を設けた飲食店等においては、原則として、延べ面積にかかわらず消火器具の設置が義務付けられています。

また、改正後の基準に該当していなくても、市区町村によっては消火器の設置が義務づけられている可能性があるため、所轄の消防署に確認しておくことをおすすめします。

飲食店開業時消防署に届出が必要な手続き

飲食店を開業するにあたって、消防署に必要な届出は以下の4つです。

  • 防火管理者選任届出書
  • 防火対象物使用開始届出書および防火対象物工事等計画届出書
  • 消防用設備設置届出書
  • 消防計画の届出

飲食店の開店準備で忙しいときに、慣れない書類の作成や届け出は大変な作業となります。

店舗や業態によって細かく分類されている手続きも多いため、消防署へ提出する書類や内容について、消防署に問い合わせをするなど計画的に進めましょう。

まとめ

飲食店の開業にあたって、とことん内装にこだわりたいオーナーの方は多いことでしょう。

しかし、内装には建築基準法や消防法といった法律に定められた素材の製品を使用する必要があります。

とくに火を取り扱う厨房に木材を利用したい場合は、必ずリフォーム会社に確認するようにしましょう。

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