内装の壁や天井は安価に施工できるクロス仕上げが一般的ですが、最近は塗装仕上げを希望されるケースも増えてきています。
塗装仕上げはクロスと違った独特な風合いがあり、お部屋をおしゃれに演出してくれます。
また、美観に優れているだけでなく、調湿機能やアレルゲン除去機能などを備えた塗料も登場しており、健康的な暮らしのために塗装仕上げを選ぶ方もいらっしゃいます。
今回は内装の塗装工事の流れ、工事にかかる期間や費用について解説します。
内装の塗装工事の流れ
内装の塗装工事の流れ、および各プロセスにおけるポイントを、順を追って解説していきます。
なお、内装の塗装工事の着工から完了までの期間は、塗装する箇所によって1~4日がめやすです。
1.着工前
かかる期間:半日
塗装工事関係者が集まり、養生・塗装から完了までの流れや注意事項などについて打ち合わせを行い、工事がスタートします。
一般的に塗装しない内装の箇所には、サッシまわりやスイッチプレート、室内のモールディング(装飾用の表面仕上げ建材)などが含まれます。
これらの箇所を新しい塗装に合わせて塗り替えるのか、そのまま残すのかを決めて指定します。
2.養生
かかる期間:半日~1日
塗装に先だって、サッシまわり、モールディング、スイッチプレートなど塗らない部分に養生シートを貼ります。また、塗料が付着しないように家具や照明器具、床面等にも養生を施します。
スムーズに塗装工事ができるよう、養生前に工事担当者と打ち合わせ、部屋の外に運び出す家財、部屋の中央にまとめておく家財を仕分けます。
リビングにはチェストやラック、ピアノなど移動が難しい家財もあります。これらは部屋の中央にまとめて置き、しっかりと養生します。
いったん養生した家財は塗装工事が完了するまで取り出しが難しいため、塗装工事中にも使いそうな家財はあらかじめ部屋の外に運び出しておきましょう。
3.塗装
かかる期間:半日~3日
塗装には下地調整、下塗り、上塗り(全2回)の工程で行われます。
各工程の詳細を以下にまとめました。
下地調整 | 塗装前に、経年劣化によって傷んだ下地を調整する作業です。 壁面の凹み箇所や壁紙が浮いている箇所を補修、クロスの補修が難しい箇所は、部分張り替えを行います。 下地の亀裂やひび割れ部分には、補強テープを貼ります |
下塗り | 下地と塗料を完全に密着させるために下塗りをします。この作業を行うことで、塗装部位の仕上がりがきれいになります。 |
中塗り(1回めの上塗り) | 下塗りを乾燥させてから中塗り(1回めの上塗り)を行います。 塗装後は2回めの上塗りのために、数時間の乾燥が必要です。 |
上塗り(2回め上塗り) | 塗装面にムラが残らないように、2回めの上塗りを行います。 |
最近の水性塗料はニオイが気にならない商品が多く登場していますが、お子さんやペットのいるご家庭では配慮が必要となるでしょう。
施工業者に工事中および夜間の換気について、事前に相談しておくことをおすすめします。
4.完了検査の立ち会い
かかる期間:半日
塗装業者とともに、塗装工事の完了検査に立ち会います。万が一、塗りムラなど不具合箇所があった場合は改善してもらいましょう。
すべての工事が完了したら、家具やカーテンなど移動していた家財をもとの状態に戻して、トータルな仕上がりを確認します。
内装塗装の費用の相場
内装塗装の費用は、塗装箇所や施工面積、工事の内容によって異なりますが、一般的には4万円~15万円が相場です。
たとえば、浴室やトイレのように狭い範囲(50㎡以下めやす)であれば10万円以下、リビングや廊下などの広い範囲(100㎡以下めやす)を塗装する場合は8万円~12万円がめやすとなるでしょう。
また、施工面積が同じでも、下地パテ処理の際には5万円~8万円、繊維壁を塗装するときには10万円~15万円くらいの費用がかかります。
まとめ
リフォームで塗装仕上げを行う場合は、施工実績が豊富な業者を選び、事前に入念な打ち合わせを行うことが大切です。
施工業者を選ぶときは、複数の施工業者に見積もりを依頼して、費用やプランを比較検討するようにしましょう。