外壁のサイディングのメンテナンスと補修

外壁のサイディングのメンテナンスと補修

工事が簡単にでき、耐水性や耐天候性にも強くひび割れなどの劣化も少ないため、住宅の外壁工事の主流であるサイディングですが、年数が経てば傷がついたり、色があせたりする劣化も起こります。

サイディング壁のメンテナンスと補修の方法について解説します。また劣化を少なくするために開発されている様々な技術や工法についても紹介します。

サイディングの外壁のメンテナンスと補修の方法

サイディング壁のメンテナンスと補修の方法は使われている外壁材により異なりますが、一般的なメンテナンスと補修には以下の方法があります。

表面の塗装

雨風にさらされるサイディングの表面は色あせや塗装の剥がれなどが起きます。また塗装皮膜の劣化により表面から白い粉がはがれることもあります。

この状態を放置するとさらに全体の劣化が進むので10年といった一定期間ごとに塗装をやり直すというメンテナンスが必要になります。塗装により新しいものと同じ状態を維持することができます。

特に塗装材料として最近開発の進んでいる紫外線や水に強い材料を用いれば、長持ちして美しい状態を保つことができます。

ひび割れやシーリング部の劣化の補修

陽が強く当たる場所などは外壁材全体にひび割れが起きることもあります。また外壁材間のつなぎ目であるシーリング部は最も劣化が起きやすい場所です。

これらの劣化についてはその部分を応急的に補修することによりある期間維持することができます。これらの劣化についてはその部分に新しくシーリングを施すことで補修します。

メンテナンスの目安としては5年に一度定期的に検査をして行うことが必要ですが、劣化の進行が判明した場合は、その部分を早めに補修すれば全体へ進むことが防げます。

張替え

陶業系サイディングでは壁全体に亀裂が走ることがあり、木質系や金属系、樹脂系などのサイディング材では、板が反り返るようなことも起きます。

この場合は一部の劣化部分の保守だけでなく壁全体を張り替える必要があります。サイディングの場合は土台に外壁材を張って施工しているので全体を剥がして新しい外壁材を張り替えれば新品と同じ状態になります。

 

サイディングの種類による特有の劣化と補修方法

 

窯業系サイディングの劣化と補修

セメントの繊維質の材料を混ぜて高温で固めた材質ですからどうしても欠けやひび割れなどの劣化が起きます。常に状況を見て早めに補修を行うことで劣化の進行を防ぐことができます。

木質系サイディングの劣化と補修

木の外壁材ですからどうしても雨風の影響で全体に劣化が起きやすくなります。

表面の塗装が劣化してそこから水がしみこむと内部が腐ることもあり、こまめな点検と補修が必要です。

表面に防水性の塗料を塗布することにより劣化を防ぐことができ、長持ちします。

金属製サイディングの劣化と補修

金属系サイディングは比較的劣化には強いのですが、それでも長年の雨風にさらされると劣化が起きます。金属なので錆により腐食が進むと一気に劣化が進みます。

アルミやスチールなど錆びにくい金属を用いていますが、雨の中に含まれる様々な成分や太陽光の紫外線の影響で少しずつ錆が進行します。このために定期的な塗装のメンテナンスが必要です。

樹脂系サイディングの劣化と補修

樹脂系サイディングは最も耐用年数が長く、基本的にはメンテナンスは必要ありません。ただし表面の色が紫外線により変色することがあり、これが目立つようならば塗装が必要です。

 

▼関連記事

【外壁】外壁材サイディングの種類とメリット・デメリットを忖度なしに比較します

 

劣化に強い新しいサイディング技術の開発

サイディングは外壁材の主流を占めていて、ますますそのシェアは高まっており新しい技術が次々と開発されています。この中から劣化を防ぎ耐用年数を長くする技術について紹介します。

劣化に強い塗装材の開発

劣化の原因の主たるものは塗装の剥がれや紫外線、雨による劣化でそこから材料に劣化が進むものです。

塗装材料として紫外線に強い酸化チタンで表面に膜を作るものや、水分に強いシリコン樹脂などを素材とするものなど様々な材料の開発が進んでいます。また液体ガラスを成分とする塗装材料は紫外線を通過させ、水には強く、長い耐用年数が得られます。

シーリング部分の技術開発

外壁材の間はゴム状のシーリング材を注入して埋めています。この施工をコーキングと呼んでいます。

この部分には最も劣化が顕著に現れますが、このシーリング部分についても様々な改良が進んでいます。コーキング材として水や紫外線に強いアクリル樹脂を利用したものなども開発され耐用年数も伸びています。

更にシーリングを不要とする技術も開発されシーリング部の劣化がないサイディングが可能になりました。シーリングをなくすには外壁材のボードの形状を工夫してボード間が組み合わされて隙間をなくす方法やボードを重ねて雨風の侵入を防ぐ方法などが開発されています。

またボード間にゴム状材質を用いた素材を組み込んで容易にボード間を接続できるような材料や工法も使われています。

 

サイディング補修で注意すべき点

一定の期間でのメンテナンスや補修が必要なサーディング壁ですが補修をするときの注意点についてまとめます。

早めの補修が効果的

サイディング壁は様々な色やデザインで住宅を飾り好みの住宅を実現することで人気があります。この状態を維持し、美しい住宅を長持ちさせるためには常に点検をする必要があります。

そしてひび割れや色の禿げた部分などを見つけたら早めの補修を行うことによって、劣化の進行を防ぐことができ、経済的な補修が可能になります。

業者の選定に注意する

業者によっては画一的なメンテナンスと補修を進めるものもいます。

状況に合わせて対応していくことで経済的な補修が可能になるので、見積もりをしっかりしてもらい、説明をよく聞いて判断する必要があります。

新技術に注目する

浸透性のエポキシ樹脂を表面に塗装し、それが固化してからその上にシリコン樹脂系の塗装材料を重ね塗りすることにより、極めて低価格で長持ちする補修技術を採用した業者が紹介され、話題になりました。

材料や素材は次々と新しいものが開発されているのでそれを使って簡単で経済的な補修を行う新技術に挑戦する業者も増えています。

インターネットなどで紹介されている事例を良く調べ、新技術を用いる業者に相談することで経済的な補修を行うことができます。

 

まとめ

サイディンに関してはその素材、工法について次々と新しい技術が開発されています。

それとともにサイディング壁のメンテナンスや補修についても技術開発が行われています。様々なサイディング壁についてメンテナンスや補修の方法について解説しました。

外壁カテゴリの最新記事