外壁のサイディングの種類とその比較

外壁のサイディングの種類とその比較

現在住宅の外壁工事の主流はサイディングです。

サイディングの外壁は使われる材料によりさまざまな種類があり、次々と新しい技術が開発されてきました。

種々のサイディングの比較を行い、技術開発の内容を紹介します。

サイディングの外壁とは

 

サイディング壁は、現在住宅の外壁の工事の80%以上に上り主流を占めています。昔の日本では、外壁の工事の主流はモルタルなどの材料を塗る方法でしたが、今ではほとんどはサイディング壁が使われています。

サイディングとは外壁材のことを表し、サイディング工事とは工場で作られた外壁材を張って壁を加工することのことです。

モルタル壁との根本的な違いは、モルタルは塗って加工するのですが、サイディングは外壁材を貼ることにより加工を行います。このためモルタル壁の場合、乾くまでの時間が必要ですがサイディングではその時間が不要で貼りさえすれば完成します。

 

サイディングの特徴とメリット、課題

サイディングには下記のような特徴とメリットがあります。

 

1.サイディングは工場で製造した外壁材を張ることにより加工するので工事が簡単で、経済的です。

モルタル壁はモルタル材を壁に塗るときの職人の腕で出来上がりの品質が左右されますが、サイディングは材料の板を貼っていくという一定の簡単な方法で工事ができるので、誰でも覚えら、安定した工事が可能です。

 

2.種類が豊富で自由なデザインが可能です。

材料の種類によりさまざまなデザインが可能で顧客の好みに合わせて選ぶことができます。

また次々と新しい技術とデザインが開発されており、見た目にもおしゃれな住宅を実現することができます。

 

3.耐水性、耐天候性などに優れ、材料により断熱性を持たせることも可能です。

モルタル壁で起きるような劣化やひび割れが少なく、一定のメンテナンスを行えば、品質を保つことができ、見た目も美しい壁を保持できます。

課題としてはサイディングといえども、長年雨風にさらされると劣化することです。

劣化が最も起きやすいのはシーリング部分です。シーリングとは外壁材のつなぎ目のことでこの部分が最も劣化の起きやすい場所です。

また表面が劣化して色や艶が変わることも起きます。このためある一定期間で塗装やシーリング部分の補修などのメンテナンスが必要で、寿命が来た場合は張替えが必要になります。

 

サイディングの種類

サイディングには外壁材の種類によりさまざまなものがあります。

その主なものは窯業系サイディング、金属系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングなどです。

それぞれのサイディングの内容と状況は以下のものです。

 

1.窯業系サイディング

最もポピュラーなサイディングで、セメント質の材料と繊維質の材料を混ぜ合わせて窯を用いて高熱処理により成形されたものです。

成形が自由な形にできるのでレンガ風・タイル調・石積み調など、様々なものが作れます。セメント質が混ざっているため地震や火にも強く長持ちします。

表面は塗装を施して自由な模様が実現できます。また水に強いコーティングなども可能です。窯業系サイディングの課題としては熱が蓄積しやすいことが挙げられます。このため断熱塗料を表面に塗装するといったことが必要になります。

 

2.木質系サイディング

天然木を材料として、表面に塗装をして仕上げた板を貼っていくサイディングです。おしゃれで、木の良さの感覚を前面に押し出したいという顧客に人気があります。高級感がありますが、価格は高くなります。

天然の木のため耐熱性能に優れ夏は涼しく冬は暖かい住宅を実現できますが、水に弱く腐ることもあります。このため定期的なメンテナンスが必要です。

 

3.金属系サイディング

ガルバリウム・アルミニウム・ステンレスなどの鋼板を用いたサイディングです。丈夫で水にも気候の変化にも強く、長期間メンテナンスも不要です。

金属なので熱伝導が良く暖房や冷房の熱が伝わりやすいため、断熱材を裏側に充填して断熱性を良くしたものなども使われています。金属的なデザインが特徴ですが、表面に加工をすることによりレンガ調やタイル調などの自由なデザインのものも可能になりました。

 

4.樹脂系サイディング

米国などでは最もポピュラーなもので、塩化ビニールなどの樹脂を樹脂成型した板を用います。樹脂のため重量が軽く加工が容易です。劣化しにくく耐天候性に優れています。

また材料に色がついているので塗装の必要性もありません。壁に貼る際には一般的にオープンジョイント工法という方法が使われシーリングの必要がありません。

このためシーリング部分の劣化が避けられ長持ちします。オープンジョイント工法とはラップサイディングとも呼ばれ横に長い板を重ねるように張る方法で下の板が上の板の隙間に差し込まれているため、雨水などの吹込みもなく、容易に貼っていくことができます。

 

新しいサイディング技術の開発

近年サイディング壁はそのシェアがますます高くなっていますが、それに伴い様々な新しい技術の開発も進んでいます。それらの技術について紹介します。

 

*セルフクリーニング機能

壁の表面に微粒子をコーティングすることにより、空気の中にある水分子が表面に薄い膜をつくり、雨が当たるとその水分子膜と表面についた汚れを洗い流すため雨によりクリーニングされる機能です。

中には光触媒を含む成分の塗装により太陽光が外壁についた汚れの成分を分解して壁に対する付着力を弱め、雨水で洗い流すものもあります。

 

*次世代インクジェットによる塗装

塗装のインクをコンピュータ制御することにより柄のある凹凸面にも平らな紙と同じように自由な色や絵柄を印刷することができる次世代インクジェットを用いた塗装です。

奥深い色調と自然な凹凸感が出せ、本物の木やレンガなどと区別がつかない木目柄やレンガ柄などの塗装が可能です。また少量のオンデマンド印刷も可能で顧客の要望に合わせた絵柄が印刷できます。

 

*その他の新技術

抗菌・消臭機能を持った茶殻リサイクルを材料としたニオイや細菌類の増殖のない壁を実現するものも開発されています。

表面の形状に工夫を加えた光の当たり方で雰囲気の変わるエンボス加工技術や鏡面仕上げが可能な窯業サイディング材の開発による光り輝く壁の開発なども進んでいます。

また窯業材をモザイクのように組み合わせることでシーリングを不要とする工法などの開発も行われています。

まとめ

従来の日本の外壁の主流であったモルタル壁に変わり主流となりつつあるサイディングですが、様々な外壁材が開発されています。

さらに表面の塗装の材料や、シーリングをなくすための技術なども工夫されており、施工が容易で寿命が長いものの開発が進んでいます

サイディングの種類とその特徴、最新の技術について紹介しました。

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