新築やリフォームで「家の外観に全く興味がない」という方はいないでしょう。家の外観を大きく左右する要素が「外壁」です。
外壁にはいくつかの種類があり、外観のみならず、耐火性や耐水性、メンテナンス周期にも注目して選ぶことが重要です。
今回は一戸建ての新築やリフォームでおすすめの外壁材をランキング形式でご紹介、性能やメンテナンス周期、おすすめポイントを解説していきます。
外壁素材別のシェアTOP5
日本窯業外素材協会が2017年に調査した「戸建住宅市場に於ける 外壁素材別シェア」によると、1位の窯業系サイディングが圧倒的なシェアを占めていることがわかります。
引用:http://www.nyg.gr.jp/toukei/share.html
外壁素材別シェアのTOP5(その他のぞく)は以下のとおりです。
外壁素材 | シェア率 |
窯業系サイディング | 78.5% |
アルミサイディング | 7.9% |
モルタル | 5.7% |
金属サイディング | 3.5% |
木質 | 1.3% |
現在の外壁素材の主流であるサイディング系は、全体の8割を超えるシェアを占めています。それもそのはず、サイディングはデザイン性の高さ、費用対効果の高さ、耐久性の高さなど、非常に優れた外壁素材であるからです。
おすすめの外壁材ランキングTOP5
本サイトが外壁素材のデザイン性、費用対効果、耐久力で選んだ「おすすめの外壁材ランキング」は次のとおりです。
- 窯業系サイディング
- 金属系サイディング
- 塗り壁(モルタル、土)
- ALC
- 木質系サイディング
以下では、それぞれの外壁素材の特性やコストについて解説していきます。
窯業系サイディング
費用の目安 | デザイン性 | 性能 | メンテナンス周期 | 施工性※ |
3,000円~1万円/平米 | とても高い | 耐久性、耐震性、耐火性 | 7~10年 | 施行しやすい |
※工事のしやすさ
日本窯業外素材協会の調査の通り、2000年以降の新築戸建てで圧倒的なシェアを誇る外壁素材です。
セメント質と繊維質を主原料に板状に成形、タイルや石積み風など3,000種類以上の豊富なデザイン・カラーバリエーションがあります。コストパフォーマンスと機能性が高いため、施主がとくに外壁素材にこだわりがなければ、ハウスメーカーや工務店も窯業系サイディングを最初におすすめするはずです。
費用は30坪で100万円~200万円ほどかかり、サイディングの厚みやデザイン、施工する業者によって変動します。
メンテナンス周期は7~10年が目安ですが、継ぎ目のコーキング材は5~7年ほどで劣化するため、定期的なメンテナンスが必要となります。
金属サイディング
費用の目安 | デザイン性 | 性能 | メンテナンス周期 | 施工性 |
アルミニウム製(5,000円~/平米)
ガルバニウム鋼板(4,000円~/平米) |
高い | 耐久性、耐震性、耐火性、断熱性 | 15~20年 | 施行しやすい |
金属サイディングは鉄やアルミニウムといった鋼材に、発泡系樹脂断熱材で補強する外壁素材です。
アルミニウム製やガルバニウム鋼製が金属サイディングの主流で、金属製らしいスタイリッシュで仕上がりの美しい外壁素材として人気があります。窯業系サイディングと比べて軽量で、家にかかる負担を軽減します。
さらに、軽量なため地震の揺れに強く、建物の倒壊やひび割れなどが発生するリスクも少なくなります。
費用は30坪でアルミニウム製が150万円~で、ガルバニウム鋼板製が120万円~が目安です。初期費用の高さで窯業系サイディングよりは敬遠されがちです。
メンテナンス周期は15~20年ほどで、金属部分は30~40年以上もつと考えられます。
塗り壁(モルタル、土)
費用の目安 | デザイン性 | 性能 | メンテナンス周期 | 施工性 |
2,000円~8,000円 | やや高い | 耐火性、防水性 | 5~10年 | やや施行しづらい |
塗り壁はセメント、砂、水を練り合わせた「モルタル」を使った外壁を指します。1990年代あたりまで日本の住宅の主流な外壁材でした。
現在はサイディングに取って代わられはしたものの、規制の工業製品では表現できないような自然の風合い、温かみが演出できるという特徴があります。
さらに、左官職人の技術により、オンリーワンの外壁に仕上がる点が魅力です。その分、職人の熟練度合いによって仕上がりも変化するので、良質な作業を行う職人の見極めが必要となります。
自然素材のため既成製品よりは劣化しにくいですが、クラックと呼ばれるひび割れが発生しやすく、汚れが付きやすいというデメリットもあります。
ALC
費用の目安 | デザイン性 | 性能 | メンテナンス周期 | 施工性 |
5,500円~1万円 | やや低い | 耐久性、耐震性、断熱性、耐衝撃性 | 10年 | やや施行しやすい |
ALC(エーエルシー)はAutoclaved Lightweight aerated Concreteの略語で、珪石、生石灰、セメント、アルミ粉末を主原料とする軽量気泡コンクリートの外壁素材です。
軽さと強度を兼ね備え、不燃材料のため火災が起こっても有毒なガスや煙の発生を防ぎます。軽素材といってもALCパネルの内部には補強材が組み込まれているため、耐震性にも優れており、万が一の地震でも揺れから建物を守ります。
さらに、内部にある無数の気泡が断熱性を高め、「夏涼しく冬暖かい」家を実現します。
工事費用はサイディングに比べて高くなるものの、性能を重視する方におすすめです。
木質系サイディング
費用の目安 | デザイン性 | 性能 | メンテナンス周期 | 施工性 |
5,000円~1万円 | 高い | 耐久性、耐熱性 | 5~10年 | やや施行しやすい |
木質系サイディングは文字通り、天然木に塗装を施して仕上げた外壁素材を指します。天然木の暖かみやオンリーワンのデザインが人気で、こだわりのあるおしゃれな外観を演出したい方におすすめです。
主流の窯業系サイディングに比べると価格が高く、防水性や防火性にも難があります。天然木であるからこそ水に弱く、水分を含んだまま放置すると木が腐ってしまいます。そのため細かなメンテナンスが必要で、メンテナンスの周期も他の外壁素材と比べても短めです。
まとめ
新築・リフォームの際におすすめの外壁材をランキング形式でご紹介しました。
外壁材選びは費用、デザイン、性能、メンテナンス性など多角的な視点で選ぶことが重要です。シェア率が最も高い窯業系サイディングでも、デザインやカラーバリエーションで費用やメンテナンス周期が変わります。
外壁にこだわりのある方、それなりの性能があれば良いという方も、新築やリフォームの際には予算や外観を施工業者と相談しながら、自身の生活スタイルに合うベストな外壁素材を選びましょう。