外装工事の種類は?またそれにかかる費用は?

外装工事の種類は?またそれにかかる費用は?

外装工事とは建物の外側の屋根や外壁の装飾や塗装などの仕上げの工事のことです。

これには、建物建築時に新規に行うもの、外観のリニューアルのために行うもの、定期的なメンテナンスのための工事など様々な種類があります。

それぞれの工事の内容と種類、特徴とかかる費用について解説します。

建築工事の種類による外装工事の違い

注文住宅の工事に際しては建築メーカーより見積書が提示されます。多くのメーカーは標準仕様というものを決めており、外壁や、屋根についても何種類かの仕様を決め、カタログで提示しています。

そして顧客の好みに合わせて種類や色を提案するだけで、費用については標準的な価格が見積書の中に含まれています。顧客の関心は全体の費用にあることが多いので、外装工事については、メーカの勧めるものを選び、色や柄を好みに合わせて選択することで済ますことが多くなります。

既存住宅の外装に関しては定期的なメンテナンスとリニューアル工事があります。

リニューアル工事は、イメージをこれまでと変えたくて行うものですから、外装工事についてもかなり変更することが多くなります。

リニューアル工事における外装工事の工法については、既存の住宅の外装との関係でいくつかの工法がありますが、新築住宅に関してはメーカの標準化が進み、種類により決まった工法で行われます。

外壁工事の種類と特徴、費用

外装工事の対象は外壁の塗装と屋根の工事ですが、建物全体のデザインや色調を合わせるために一般的には同時に行われます。

外壁の種類には大きく分けてモルタル壁、サイディング壁、ALC壁などがあります。日本では昔はモルタル壁が多かったのですが、最近はサイディング壁が主流です。

サイディング壁とはメーカーの工場で成型された一定サイズの板を壁に貼り付けていく工法で、板の種類により窯業系や金属系などがあり、色やデザインが自由に選択できます。ALCとは高温高圧で蒸気養生された軽量気泡コンクリートで旭化成のヘーベルハウスに使われています。

各方法の比較を下表に示します。

各工法の比率の情報はリフォーム産業新聞が調査したものです。

種類 モルタル壁 窯業系サイディング壁 金属系サイディング壁 ALC
比率 13% 70%-80% 10%以下 数%以下
工法 昔の日本で最も多かった壁でセメントと砂を混ぜたものを壁に塗って仕上げます。

 

主流のセメントに繊維質や混和材を混ぜたもので、板状になっているのが特徴です。

 

硬質プラスチックフォームという断熱材を使用したものです。 軽量気泡コンクリートとも呼ばれるコンクリートの1/4程度の重さ外壁材を使用したものです。
特徴 手作業の塗装のためデザイン性が高くつなぎ目がなく耐震性・耐火性・耐久性が高いものが作れます。 レンガ調やタイル調などのデザインや色柄が豊富で、比較的価格が安く、施工性が高いというメリットをもっています。

 

重量が軽く耐震性・断熱性・耐凍害性に優れています。 軽量で強度が高く、耐火性や断熱性に優れており、ビルなどに多く使われます。
課題 手作業のため施工期間がかかり、またひび割れが起きやすくメンテナンスが必要です。 熱を溜め込みやすく太陽熱で表面温度が上がります。

また目地を埋めるシーリングや、防水機能を維持するための塗装が必要です。

サビたりへこみや傷がつきます。

また酸性雨、塩害で腐食します。

防水性がなく塗装が必要です。

また定期的な目地のシーリングの補修が必要です。

価格 約2,000~8,000円/m2程度です。 約3,000円~15,000円/m2でデザインによって変わります。 素材で異なりますがガルバニウム鋼板で約3,500~6,000円/m2です。 約5,500円~10,000円/m2です。
メンテナンス 10年程度でメンテナンスが必要です。 色あせや塗装剥がれが起き7〜8年程度で塗り替えが必要です。 汚れやサビがつくのを防ぐために、半年に1回程度水洗いによるクリーニングが必要で、10〜15年程度でメンテナンスが必要です。 50年以上の耐久性がありますが定期的なメンテナンスは必要です。

 

屋根の外装工事

屋根の工法にもいくつかの種類があります。

日本では、昔ながらの粘土瓦の屋根が根強いシェアを誇っています。最近はガルバリウム鋼板といった新しい素材の開発により金属材の屋根が伸びています。これにスレート屋根を加えると90%以上のシェアになり、3者のシェアは拮抗しています。

これらの特徴、費用などを下表に示します。比率は日本屋根建材新聞が住宅用の屋根について調査したものです。ビルや公共施設などを含めると金属材の屋根の比率が高くなります。

粘土瓦屋根 スレート屋根 金属材屋根
平成1年の比率 48.4% 28.8% 14.0%
平成29年の比率 35.7% 27,8% 30.7%
工法と素材 日本の昔からの屋根瓦で粘土を使った焼きものの屋根材です。 セメントと繊維材料を混合した薄い板の素材を張っていきます。 古くはトタン屋根が主流でしたが、現在はアルミニウム55%、亜鉛43.4%の、ガルバリウム鋼板が多く使われます。
特徴 耐久性が高く長くもちます。厚みや重さがり耐熱性、断熱性、遮音性にも優れています。 色やデザインも豊富で、軽量、安価です。 アルミニウムの耐食性、加工性、耐熱性、熱反射性と、亜鉛の犠牲防食機能を兼ね合わせています。
課題 重量が重く、耐震性の考慮が必要です。 隙間から雨水が入り込みやすく強い風や災害、積雪の重さで割れることがあります。 断熱性が低く断熱対策が必要です。薄いため凹みやすく衝撃に弱い。防音性が低い、雨音が大きくなる等のデメリットがあります。
価格(材料) 8,000円~12,000円 / ㎡です。 4,500円~8,000円 / ㎡です。 6,000円~9,000円 / ㎡です。
メンテナンス 下地や棟の漆喰の点検が必要です。

リニューワルには吹替が必要です。

20年~25年の耐久性があります。吹替はカバー工法で可能です。

約10年の定期的な塗装が必要です。

約15年~20年で塗装が必要です。寿命の30年で葺き替えが必要ですが、カバー工法の重ね葺きができます。

リニューアル工事と定期メンテナンスにおける外装工事

外装工事のほとんどのものは定期メンテナスが必要です。またリニューアル工事は家のイメージを新しくするために行うので外装工事は大きな比率を占めます。

これらの工事には単に塗装のみを行う塗装工事、外壁や屋根の外装をはがして作り替える張替え工事(屋根の場合は葺き替え工事)、カバー工法と呼ぶ既存の外壁や屋根の上に重ねて貼っていく重ね張り工事(屋根の場合は重ね葺き工事)があります。

費用については使われる塗料や外壁版などの材料費、工賃、足場などの設定費用などが必要になり材料によりかなりの違いがあります。

それぞれについての費用を下表にまとめます。

塗装費用 張替え、葺き替え 重ね張り、重ね葺き
外壁 70,000-25,000円/m2 10,000-25,000円/m2 8,000-20,000円/m2
屋根 4,000-6,000円/m2 10,000-30,000円/m2 8,000-25,000円/m2

まとめ

外壁工事や屋根の種類や特徴、費用について紹介しました。種類や工法によって価格や、今後のメンテナンスの頻度などにも影響を及ぼします。短期〜長期的なスパンで納得のいくように、上記のポイントで懸念事項を確認しておくと良いでしょう。複数業者へ見積もりを出して比較することで、工事費とサービス内容の最適な選択ができるので、オススメです。

 

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