訪問販売によるリフォーム詐欺の手口と撃退法を知る 

訪問販売によるリフォーム詐欺の手口と撃退法を知る 

同業者の一人として頭の痛い話ですが、訪問販売によるリフォーム詐欺の被害が後を絶ちません。

2017年度に消費者センターに寄せられた相談は5,956件にも上ります。ここ数年は横ばいが続いていて、急に増えることもないかわりに、なかなか終息しないというのが現状のようです。

自治体などが注意喚起を行い、特に悪質な業者に対しては業務停止等の厳しい処分が科されているのにもかかわらず、それでも根絶しないのは、やはり騙されてしまう方が毎年一定数いらっしゃることを意味します。泣き寝入りしている被害者も含めると、被害の実数はさらに増えるのではないでしょうか。

過去にさかのぼって被害の事例を調べてみると、その手口が10年前からほとんど変わっていないことに気づかされます。細かな違いはあるものの、基本的には一つのパターンで成り立っていると言えます。

したがって、手口の具体例を知り、そのパターンを理解すれば、実際にそうした場面に出くわしても、「あ、詐欺かもしれない」と気づく確率が高まりますし、それを周知することで、リフォーム詐欺の被害を少しでも減らしていけるのではないでしょうか。

今回は、訪問販売によるリフォーム詐欺の手口をできるだけたくさん紹介して、被害者の心を巧みに誘導する詐欺業者の、鉄板とも言えるパターンを理解していただけたらと思います。

事例をひとつずつ見ていくと時間がかかりますので、詐欺の段階ごとに、詐欺業者が使う常套句を読みやすいようにまとめてみました。流し読みでも構いませんので、ぜひ最後まで目を通していただいて、読む前より少しでもリフォーム詐欺に対する抵抗力を身に着けていただきたいと思います。

彼らはいきなりやってくる

「ピンポ~ン」と玄関のインターフォンが鳴る。スコープからのぞくと見知らぬ人物が立っている。

あるいは、

庭の掃除や草木の手入れをしていると、「こんにちは~」と道から明るく声をかけてくる。

当然ですが、彼らは胸に「詐欺業者」の名札はつけてはいません。一見して詐欺師と分かるような外見もしていません。むしろ、初対面の相手に安心感を抱かせるような柔和な表情や、誠実そうな様子をしているかもしれません。

通常の訪問販売であれば、世間話でこちらの警戒を解こうとしますが、リフォーム詐欺の業者はすぐに本題に入ります。まずは来訪の理由を説明します。説明の仕方にはおおむね3つのパターンがあるようです。

・「たまたま通りかかってお宅の屋根の様子が見えた」

・「近所のお宅を工事中にお宅が見えて気になった。放っておけなかった」

・「この地域の担当としてあいさつに来ました」。(行政の割り当てで来ているかのような印象を与えます)。

通り過ぎても良かったのだけれど、放っておけなかった、と、あくまでも善意の訪問であることを印象付けます。

言われた方は当然気になりますから、「なんだろう?」と耳を傾けます。

すると詐欺業者は、

・「無料で屋根の点検を行っているのですが・・・」

・「工事で迷惑をかけるので、もしよかったら無料で(あるいは1000円など頼みやすい金額で)雨どいの掃除をしましょうか」

と持ちかけてくる。

この段階で断るのが一番楽なのですが、無料で点検、無料で雨どいの掃除、と聞くと、ついつい受け入れてしまうのが人情というものですね。

しかし、一度でも屋根に登らせてしまうと、そこからは業者側の思惑通りに話を進められてしまいます。

ショックを与えて話に引き込む

点検を理由に屋根や外壁をチェックする、あるいは、飛び込みで来ていきなり本題に入る場合もありますが、次のステップはいずれも同じで、屋根や外壁に深刻な不具合がある(見つかった)、と告げます。

その際の言い方としては、

・「お宅の屋根が危ない。このままでは大変なことになる」

というのがほとんどです。

しかし、いきなりこんなことを言われて、それでも平気でいられる人はそういませんよね。私のように普段から家を見慣れている人間でも、さては見落としがあったか、と一瞬ハッとすると思います。

カウンターパンチをお見舞いして、こちらの動揺を見透かしてから、脈がありそうだと思えば、詐欺業者は一気に畳み掛けてきます。

・「棟の板金がはがれている」

・「垂木が腐っている」

・「屋根に穴が開いている」

そう言われても、ほとんどの人は自分で確かめにいくわけにはいきませんので、詐欺業者の説明が具体的であればあるほど不安は募ります。なかには別の家の破損した屋根の写真を見せてくる業者もいるようです。

また、震災以降増えているのが、

・「屋根が重すぎて耐震強度に問題がある。軽い屋根に葺き替えないと大きな地震が来たらぺしゃんこになる」

と、いまだ記憶に新しい被災当時の当地の光景を思い浮かべさせて脅すという、詐欺というより人としての一線を越えてしまったような輩が実際にいますので、ひとたび詐欺業者に目をつけられたら、これを跳ね返すのがなかなか容易ではないことをご理解いただけるかと思います。

リフォーム詐欺業者に狙われやすい家とは

そもそもリフォーム詐欺業者は、どのようにして詐欺を仕掛ける家を選んでいるのでしょうか。

実は、詐欺業者に目をつけられやすい家にはいくつか特徴があります。そもそも目をつけられないようにすることが一番の対策ですが、以下の項目に当てはまる点がある(多い場合はなおさら)方は注意が必要です。

・新しすぎず、古すぎない家

新しい家はリフォームの必要がありません。一方古すぎる家は、リフォームするにしても本格的なものとなり、リフォーム詐欺業者の手に負えない場合がほとんどです。

・屋根や外壁のリフォームをしている家

・後付けのベランダ、カーポートがある家

リフォーム意識が高いとみなされ、「ついでに・・」と誘導されがちです。

・太陽光温水器、太陽光発電パネルが屋根に設置されている家

訪問販売業者にすすめられてそれらを設置した可能性があり、訪問販売に対する警戒心が低いと見られます。

・瓦にずれ防止のコーキングをしている

これは、悪徳訪問業者がよくやる工事で、同業者にとっては格好の目印になります。

・玄関やポストに「訪問販売お断り」の張り紙のある家

私が知る限り、これは逆効果になる場合の方が多いですね。以前被害にあったことがあったり、その手の押しに弱いことを宣伝しているようなものなので、かえって標的にされる場合があります。

・屋根や外壁が色あせている

・近所に屋根の塗装や外壁の張り替えなど、リフォーム工事を行った家がある

近所の家が見違えるようにきれいになり、ひるがえって自分の家を見たときに、急にみすぼらしく思えて、「うちもそろそろ・・」となっている可能性がある。そういう人間心理に巧みに付け込んできます。

訪問販売業者が契約を迫る手口

「お宅の家が危ない」そういってショックを与え、不安にさせた後は、考えている時間はないと急き立て、その場で契約を結ぶことにリフォーム詐欺業者はこだわります。日を置くと成約率がガクンと下がることを知っているからです。

「放っておくとどんどん悪くなる。一刻も早く工事しないと大変だ」

と繰り返します。

いくらかかるか金額を聞くと、かなりの額を提示されますが、

「他の所に頼むよりずっと安くで済む」

「ちょうど今キャンペーン中なので、100万円割引できる」

とお得感をあおります。そもそも手抜き工事が前提ですから、他社より安いもなにもないのです。

また、

・「うちに任せれば火災保険を適用できる」

・「耐震工事にすれば補助金が出る」

あの手この手で正常な判断力を麻痺させにかかります。言うまでもないことですが、保険金詐欺は立派な犯罪です。詐欺業者が詐欺をそそのかすのはある意味普通ですが、くれぐれもこうした甘言には乗らないように注意しましょう。

契約後の流れ

なだめたりすかしたり、言葉巧みに誘導し、それでもダメなときは居座るなどして強引に契約を取り付けた後、リフォーム詐欺業者は、工事を既成事実化するために迅速に行動します。まさに疾きこと詐欺師のごとしです。

・あっという間に工事が始まる

・すぐに工事にかかれない場合は足場だけ先に組んでしまう

そうすることで、工事に対して不信感があってもあきらめざるを得なくし、また知識のある第3者に頼んで本当に屋根や外壁に不具合があるか確かめてもらうこともできなくしてしまいます。

クーリングオフ対策の意味合いもあり、クーリングオフが認められた場合でも、原価や足場代だけでも払えと脅す材料にします。

断り方のまとめ

・ドアを開けない

・話を聞かない

これが一番です。相手は口が達者ですから、聞けば何かしら心を動かされます。「危ない」と言われて不安になったとしても、

・「知り合いの業者に見てもらう」

と答えましょう。詐欺業者も暇ではないので、最初の段階できっぱりと断ると、それ以上しつこくしようとはしないものです。

これはその他の業種の訪問販売対策にも使える方法ですが、すぐに立ち去ろうとしない場合は、

・「営業ですか?」

と率直に尋ねましょう。特定商取引法、訪問販売に関する法律において、嘘をつくことを禁ずる、いわゆる不実告知の条項があります。契約時に嘘をついた場合、契約そのものが無効になってしまうというもので、業者側は「営業です」と答えるしかありません。そこで「必要ありません」と断れば、よほどのことがない限りあわてて逃げ帰ると思います。

最初の段階で撃退に失敗しても、焦る必要はありません。訪問販売業者の話が一段落するのを待って、

・「家族と相談して決める」

・「息子に相談してみる」

と、とりあえずその場では契約する意志がないことを伝えましょう。「とりあえず契約書にサインを・・」と粘る業者もいますが、相談する相手、頼りにできる相手が身近にいることを印象付けるだけで、業者側は腰が引けます。

名刺をもらい、業者が帰ったら、インターネットで会社名を検索して調べてみましょう。悪質な業者については注意喚起の記事が出ている場合がありますし、いまどきちゃんとしたホームページを持たないリフォーム業者は、それだけで嘘くさいと思って間違いないですね。

契約してしまった場合の対処法

望まない契約を結ばされた場合、8日以内であれば無条件にかつ一方的に、契約を解除することができます。クーリングオフの方法については「屋根修理の押し売りには要注意」こちらの記事に詳しく書いてありますのでご参照ください。

判断不十分者を狙う近ごろの傾向

最近の傾向として、高齢者や病気が原因で自己判断が難しい「判断不十分者」を狙ったリフォーム詐欺が増加しています。内容を把握できないことを良いことに、数百万単位の契約を結ぶ悪質な業者も存在します。こうした場合、8日以内のクーリングオフも難しいため、悪徳業者は一度断られてもしつこく通って契約を迫る傾向にあります。

身内や知人にそういう方がいらっしゃる場合、知らない人が訪ねてきたら必ず電話をする、というルールを作っておくだけでも効果があります。早めに気づいてやることが重要です。普段そばにいてやれない場合は、できればご近所の方にお願いしておきましょう。「見慣れない人が最近来ている」、という情報をもらうだけでも全然違います。明日は我が身ですから、周りで協力して未然に被害を防ぐことですね。

まとめ

訪問販売によるリフォーム詐欺被害がなかなかなくならない背景には、身近で不可欠な「家」という存在について、ほとんどの人がよく分かっておらず、簡単なメンテナンスはおろか、状態をチェックすることすらできていない、ということもあるのではないでしょうか。

専門家に任せてもいいのですが、家の状態をこまめにチェックすることで、適切なリフォームのタイミングを把握できますし、そうであれば、「屋根が危ない」という訪問販売業者の脅し文句にも、簡単には乗らなくなると思います。

「家」のことを任せられる相手として、信頼できる業者との関係を普段から築いておくことも、大切かもしれませんね。

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