外壁塗装はどの季節がおすすめか 常識と狙い目を分析する

外壁塗装はどの季節がおすすめか 常識と狙い目を分析する

外壁塗装は季節選びが重要

住宅地などを歩いていて、そういえば最近あちこちで足場が組まれ、塗装業者が作業をしているな、と気になったことはありませんか。これには理由があって、塗装業にも繁忙期というものがあります。暦にもよりますし、また、塗料という生ものを扱うことで、気候の影響も大いに受けるからです。

したがって、外壁や屋根の塗装を依頼する際は、塗装に適した季節を選ぶことが非常に重要です。

最適な時期に依頼をすれば、作業期間を短くできますし、それだけ費用を節約でき、ご近所への迷惑も軽減できます。

逆に、塗装に向かない時期を選んでしまうと、作業期間は長くなり、費用はかさみ、仕上がりも微妙なものになってしまいがちです。

では、外壁や屋根の塗装に一番向いている時期とはいつなのか、様々な条件に照らしながら、今回はそのことについて説明していきます。

屋根や外壁の塗装に適した条件とは?

屋根や外壁の塗装は、どういった条件の下で行うのが良いのでしょう。室内の塗装とは違い、外では環境の影響をまともに受けてしまいます。

まず、生の塗料を塗るわけですから、これをしっかりと乾かさなくてはなりません。塗料の乾燥に必要な条件とは、簡単に言うと、ある程度の気温があり、湿度はそれほど高くない状態です。

気温が5℃以下、湿度が85%以上あると、塗料が適当な状態にまで乾燥しないと言われています。

外壁や屋根の塗装は3度以上の重ね塗りが基本ですから、下の塗膜が乾かないうちに上塗りをすると、色むらができたり、仕上がりが均一にならず、断熱や防水など塗料の効能も十分発揮されないという弊害も生じます。

当然、雨の多い季節は塗装に向きません。完全に乾燥する前に塗料が流されたり、水に塗料が溶け出したりして、やはり塗料の効能が十分に発揮されないからです。

以上の理由から、気温が低かったり、雨が多い季節には、外壁塗装を頼まないのが賢明です。

ただ、それだけに、業者も仕事を欲しがりますので、繁忙期に比べると安い料金で請け負ってくれる場合もあります。梅雨に晴れ間が続いたり、冬なのに気温が上がったり、たまたまそういう時期と重なることもないとは言えません。

ですが、最初に述べたように、天気待ちで期日が延びればそれだけ費用もかかりますし、家を守ってくれる屋根や外壁を、運任せというか、それこそ天気任せにしてしまうというのは、やはり少し違うと思います。塗装が不完全だったためにすぐに劣化してしまったり、最悪の場合塗り直しを余儀なくされたりと、結果的に高くつく場合がほとんどであることを理解しておく必要があります。

屋根や外壁の塗装にもっとも向いている季節とは?

ここまでの説明でお分かりいただけるかと思いますが、室外の塗装にもっとも適した季節は春です。

特に、4月から5月にかけては、気温も20℃前後と暖かく、湿度もそれほど高くありません。日照時間も夏に向けて伸びてくるので、塗料が乾燥しやすく、作業時間も確保しやすい。まとまった雨が降ることも少ないので、作業を中断することもなく、短期間でスムーズに塗装の全工程を終えられます。

ただし、注意しなくてはならないのは、この時期は業者にとっても稼ぎどきだということです。

春先は引っ越しが多くなり、新居を購入するなどして、外壁や屋根の塗装を注文する人が増えます。

また、アパートやマンションなども、リフォームして入居者を集めようと、塗装を依頼するところが多くなります。

業者に仕事が集まりますから、賃金も高くなる傾向にありますし、スケジュールが埋まっていて、作業になかなか取り掛かってもらえないということもあります。どうしても春の間に塗装を終わらせたいというのなら、年の頭から作業依頼をしておくぐらいの準備が必要です。

秋は気候も良く、春より安く頼めることも

4~5月に次いで外壁・屋根の塗装に向いているのは、秋です。

夏の暑さが和らいでくる9月下旬から10月にかけては、気温が20~25℃と安定し、空気もさっぱりしていて、塗料の乾燥に必要な条件がそろっています。陽射しはやわらかく、風が心地よく、戸外での作業が一年のうちでもっとも快適な時期でもあります。

日照時間がだんだん短くなりますが、午前9時から午後4時まで、必要な作業時間は十分確保できます。

難点は、秋の長雨に重なってしまった場合、工期が大幅に遅れてしまうことです。それでも、晴天が続くことも多く、また、春に比べて注文が集中しにくい傾向にあるので、直前の予約でもすぐに作業にかかってもらえる場合もあります。コストも春に比べれば安くおさえられる傾向にあるので、コストパフォーマンスで言えば、この時期がもっとも戸外の塗装に向いているかもしれません。

夏や冬に塗装する場合の注意点

春と秋が戸外の塗装に向いているということはこれまで説明したとおりですが、必ずしもその時期に作業を依頼できるとは限りません。様々な事情から、それ以外の時期に業者に依頼しなければならない場合もあるでしょう。

では、夏や冬に外壁塗装をする場合、どういった点に注意すれば良いのでしょう。

夏は梅雨に注意

夏の間は日照時間が長く、気温も30℃を超えます。湿度も低くなるので、塗料の乾燥という面で見れば、塗装に適した時期と言えるでしょう。

問題は6月から7月にかけての梅雨です。雨が降り続いて作業が進まず、雨の合間に急いで塗装を済ませても、高い湿度のせいで塗膜が乾きにくく、仕上がりに難が出ることがあります。特に6月は、戸外の塗装は回避するのが無難です。

狙い目は梅雨明けの7月末から8月ですが、一年で最も気温が高くなるため、作業員の負担も大きくなります。そのため、作業負担を加味した作業料を請求されることもあるので注意が必要です。それでも、塗装を依頼してはいけないわけではないので、閑散期のこの時期を狙って、思わぬ値引きにめぐり合う可能性もあります。

冬は塗装に向かない

一方、冬は戸外の塗装には全く向いていません。 気温も低く、日照時間も短いため、塗料の乾燥にとても時間がかかります。

また、寒冷地では、屋根に雪が積もったり氷が張ることもあります。そうなると、高所になれた作業員でも作業に危険が伴います。依頼を断るケースがあるのも無理はないのです。

きちんとした仕上がりを期待するのであれば、冬は我慢して、春まで待ちましょう。

どの時期でも相見積もりは必須

屋根外壁の塗装を依頼する際の注意点として、相見積もりを必ず取るというのもポイントです。業務内容を問わず、業者に作業を依頼する場合は、必ず複数の業者に見積もりを取ってもらってください。業者も慣れていますから、わざわざ来てもらったから、というような遠慮は不要です。

塗装にかかる費用も、塗料代や足場代を除けば、明確な相場はあってないようなものなので、業者の都合によって価格は上下します。

仕事が少ない時期に安く請け負ってくれることもありますし、逆に閑散期でも、大きな仕事が入っている場合など、高い代金を支払わないと依頼を受けてくれないこともあります。春だから必ずしも高いとは限らず、夏だから安いと決まっているわけでもない。業者によって驚くほど価格が違うこともあるので、一社だけで決めてしまうのは得策ではありません。

経験上少なくとも3社は、相見積もりを取るようにしましょう。見積もりの内訳を確かめ、対応の誠実さを見極め、安心して任せられる業者に作業を依頼することです。

途中で書きましたが、大切な家や家族を風雨から守ってくれるのが屋根や外壁です。これが洋服であれば、気に入らなければ着なければ良いし、すぐに破れてしまっても諦めはつくでしょう。ですが、外壁や屋根に関しては、わずかな差額を惜しんだせいで、家に深刻なダメージを与えかねない。そうならないためには、信頼できる業者をじっくり選んで、適切な時期に作業を依頼することが何より大切です。

 

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