【外壁】外壁材の種類と選び方 代表5種のメリット・デメリットをランキング形式でご紹介

【外壁】外壁材の種類と選び方 代表5種のメリット・デメリットをランキング形式でご紹介

外壁材選びはメンテナンス性と耐久年数が重要

いざマイホームを建てる、あるいは古くなった家のリフォームを行うとなると、考えることがいろいろありすぎて、もちろん嬉しい悩みなんですが、頭がパンクしそうになりますよね。なかでも、「どんな外観にするか?」で悩む方は多いと思います。

そうなると、今まで気にならなかったよそ様のお宅のことが無性に気になってくる。大きさとか高さとか、庭とか窓の様子とか、なかでも目が行くのは、その家の存在感を決定づける外壁ではないでしょうか。

「あの家の外壁の素材は何だろう?」、「あの外壁は綺麗だけど高そうだ・・・」、「あの家と同じような外壁にしたいけど、耐久性やメンテナンス性はどうなんだろう?」。

大工や塗装の専門家でもなければ、外壁の素材や色を選ぶのにもひと苦労です。

外壁の素材を選ぶ基準は、人によってそれぞれ違います。デザインを重視する人もいれば、コストを重視する人もいる。機能性、耐久性、メンテナンス性と、考慮すべき点がいろいろありすぎて、考えすぎて、そのうち基準が分からなくなってくる。

ええいままよと、直感で選びたくなるのも無理はないのですが、ちょっと待ってください。

今回はその外壁選びの基準について、耐久性とメンテナンス性という2つの観点から説明していこうと思います。

なぜなら、外壁は常に外気に晒され、強い日差しや熱、雪、風雨などをまともに浴び続けているため、汚れや劣化が特に進みやすい部分です、家の美観や機能を保つには、定期的なメンテナンスが欠かせません、メンテナンスの周期が長く、メンテナンスにかかるコストを抑えることは、外壁を選ぶ上で何より重視すべきと言えるからです。

せっかくですのでランキング形式でご紹介しますね。

第1位 タイル(乾式工法)

タイルは粘土を板状に焼き固めたものです。タイルをモルタルの上に貼り付けていく湿式工法と、専用金物に引っ掛けるように施工していく乾式工法があります。メンテナンス性や耐久年数の面では乾式工法の方が有利です。また乾式工法にすることで、通気工法にも対応することが可能です。

乾式工法の場合、数年後のタイルの浮きの心配がほとんど不要になりました。そしてタイル自体は土を焼き固めたものなので、屋外の紫外線や風雨の影響もあまり受けません。他の工業製品や現場塗装のように色あせることもなく、寿命は半永久的です。もちろん塗り替えや貼り換えの必要もありません。

また、あまり水を吸わないので汚れが雨で流れ、汚れがあまり目立ちません。また、見た目に高級感があるのも大きな魅力です。

しかし初期費用が高いことや、建物の重量が重くなるのが欠点で、メリットが多い割に、タイル貼りの家はそれほど多くありません。

また、メンテナンスに手間がかからないと言っても、完全にメンテナンスフリーという訳にはいきません。目地のシーリング部分のメンテナンスは、乾式工法の場合にも必要です。この部分の定期的な点検とメンテナンスを怠らないようにすれば、ほかの外壁材と比べて耐久性は極めて高いと言えるでしょう。

第2位 ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板とは、鉄をベースにした合金の板に、金属メッキ加工を施したものです。亜鉛だけでメッキしたトタンと異なり、アルミニウム、ケイ素(シリコン)などが使用されています。

このような特殊なメッキによる効果で、金属でありながら錆びにくく、耐久性が高く、しかも軽量なので、家の構造体に負担をかけません。地震に強いというのも大きなメリットです。ガルバリウム鋼板は、金属サイディングの一部として区分される場合もあります。トタンが10年から20年で錆びが出てボロボロになるのと違い、ガルバリウム鋼板は非常に錆びにくいので、30年以上もつといわれています。

しかし、酸性雨の影響や、錆びた釘などほかの金属との接触で「もらい錆び」が発生する場合もあり、絶対に錆びない訳ではありません。また、海の近くなどでは潮風の影響で白錆びが発生することもあるようです。

表面が傷ついた場合に赤錆びが発生することもあり、日頃から点検するよう心がけ、異常に気づいたら早めに補修するようにしましょう。酸性雨対策や潮風対策には、時々水洗いするのが効果的です。

ガルバリウム鋼板というと「メンテナンスフリー」という言葉を耳にしますが、長持ちさせるには、やはり定期的なメンテナンスは欠かせません。また、ガルバリウム鋼板には断熱性能がないので、断熱性能は建築本体の断熱材で確保する必要があることを覚えておくと良いでしょう。

第3位 金属サイディング

金属サイディングはアルミや鉄などの金属を成形・加工して柄付けし、断熱材で裏打ちしたものです。窯業系サイディングよりも高価ですが、外壁材としては軽量で建物に負担をかけにくいのがメリットで、最近採用されることが増えてきています。

表面材には塗装ガルバリウム鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム合金塗装板、塗装ステンレス鋼板のいずれかが使用されます。従来から最もポピュラーなのは、溶融亜鉛メッキ鋼板に焼付け塗装を施したものですが、セメントを主材とした窯業系サイディングと比較して、水の浸み込みやひび割れ・凍害の心配がなく、一般的にメンテナンス周期はやや長めになります。

しかし、沿岸部での塩害や、金属片からの「もらい錆び」などで、予定外に早期に錆びが発生する可能性もあるので、日頃の点検は欠かせません。

第4位 窯業系サイディング

セメント質と繊維質などの原料を板状に形成した外壁材で色柄も豊富なため、現在の新築木造住宅のほとんどに採用されています。コスト、機能性、デザイン性など他の外壁材と比較しても総合的に優れていて、施工も比較的簡単です。

メンテナンス面においても、近年では超高耐候塗料の採用により、従来10年から15年ごとに必要であった再塗装工事の期間を大幅に伸ばすことが可能になりました。
また、変色・褪色10年保証や、雨水で汚れを落とす親水性加工が施された商品もあります。

しかし、サイディングには継ぎ目があるので、継ぎ目に使用するシーリング材の経年劣化が欠点になり、サイディングよりも早く劣化してしまうので、基本的には約10年ごとのシーリングの打ち替えが必要です。打ち替えには足場架けが必要になるので、それなりの出費を覚悟しなければなりません。

最近ではシーリングを必要としないシーリングレス工法や、長寿命のシーリング材なども開発されていますが、まだまだ施工実績が少ないので、信頼性がやや不足しているように思われます。

 

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第5位 モルタル

モルタルとは砂とセメントと水を混ぜ合わせた材料で、かつては外壁材として最も多く使われていました。モルタルの最大の欠点は、ひび割れが発生しやすいことで、ひび割れは家の耐久性にも大きな影響を及ぼします。

モルタルそのものの耐用年数は、適切な施工を行っていれば最低でも30年程度はあると思われますが、定期的な外壁塗装の塗り替えが必要です。モルタル壁は外壁塗装の塗膜によって保護されているからです。

外壁の塗り替え周期は塗装の仕様によって異なりますが、最も安価なアクリル塗装で7~8年、ウレタン塗装で10年前後、シリコン塗装で10~15年が目安です。

モルタル壁では塗装などの仕上げ材の劣化によって大きく美観を損なうばかりか、家全体の耐久性にも影響します。塗料は単純に値段が安いほど対候性も低くなる傾向があると考えておくのが無難でしょう。

また、他の工業製品の外壁材と異なり、モルタル壁は職人による現場施工になるので、左官工や塗装工などの職人の腕の差や、現場での品質管理によって耐久年数や仕上げに大きな影響が出るのが特徴です。

 

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番外編 木材

最近はめったに見かけることがなくなりましたが、昔の家の外壁はほとんどが木材で作られていました。防火指定のある地域では使用できないため、市街地では木材を使用したくてもできないのが現状です。しかし、断熱性に優れ、環境にもやさしく、木のぬくもりを感じて暮らせるのが最大のメリットです。

木材は湿気を嫌い、長期間湿った状態が続くと腐食につながります。新築時のきれいな状態は長くは続きませんが、年月を経た木材には工業製品にはない独特の風合いや風格がありますね。

木材を長持ちさせるためには、こまめなメンテナンスが欠かせませんが、木と上手につきあって経年変化を楽しみたい人にはお勧めです。

番外編2 ALC

ALCは超軽量であるため建物への負担が少なく、また耐熱性・耐火性に優れているため外壁材としても人気です。

ALC造についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。

ALC造ってどんな建物?メリット・デメリットやメンテナンスの方法を解説

以上、駆け足で説明しましたがいかがでしたでしょうか。

外壁選びの参考にしていただければ望外の喜びであります。

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